風邪薬と一緒に飲んでもいい? いつ飲む? 鎮痛剤の疑問を専門医に聞きました【前編】

風邪薬と一緒に飲んでもいい?  いつ飲む?  鎮痛剤の疑問を専門医に聞きました【前編】

頭痛や歯の痛み、筋肉痛がつらいとき、ともかく症状を抑えたくて市販の鎮痛剤を飲むことがあります。月経痛がひどくて毎月服用している女性もいるでしょう。

ただ、「薬に頼らずに我慢したほうがいいの?」、「鎮痛剤はドラッグストアにずらっと並んでいて、どれを選べばいいのかわからない」、「痛みの種類によって使い分けるべき?」などと迷うことは多くあります。そこで、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長に鎮痛剤の疑問について尋ねてみました。

鎮痛剤は痛み始めたときに早めに飲む

(1)いつも鎮痛剤を飲むタイミングに迷います。痛みが我慢できなくなってから飲むとよいのでしょうか。

正木医師: 頭痛や筋肉痛、歯痛、月経痛などは「痛みの原因となる物質」が発生してそれを脳で感知することで生じます。「痛み物質」を「プロスタグランジン」と言い、鎮痛剤はこの物質の発生や増殖を抑えて痛みを和らげます。そのため、痛み始めたときに早めに、少なくとも痛みが強くなる前の「痛くなってきたなあ」という段階で服用しましょう。

我慢できないほど痛みが強くなったときは、「痛み物質」が大量に発生していると考えられます。すると、鎮痛剤を服用しても痛み物質を抑えきれないこともあるので、我慢をしないタイミングで飲むことが痛みを強くせずに早く抑える秘訣です。

さらに、月経痛のように痛くなるタイミングがあらかじめわかっている場合は、痛くなる前に飲んでおくほうが有用です。

鎮痛剤と風邪薬を併用してはいけない

(2)風邪を引いて発熱や頭痛があるときに、鎮痛剤とほかの風邪薬を同時に飲んでもよいのでしょうか。

正木医師: 風邪薬には鎮痛成分、解熱成分が含まれているため、鎮痛剤と併用すると、副作用で胃痛、吐き気などが起こりやすくなります。風邪薬と鎮痛剤は同時に飲んではいけません。

(3)鎮痛剤のパッケージには、効能として、頭痛、筋肉痛、月経痛など、複数の痛みが書いてあります。ひとつの鎮痛剤で、体のどの部位の痛みにも効くのでしょうか。

正木医師:鎮痛剤は複数の製薬メーカーから多種多様に発売されていますが、「痛み物質」を抑えるという効能はどれも同じです。つまり、「痛み物質」が原因の頭痛、筋肉痛、肩こり、腰痛、歯痛、関節痛、月経痛、ケガによる痛みなどは、同じひとつの鎮痛剤で効きます。

しかし、胃痛、下痢や便秘による腹痛など、内臓の痛みの原因は「痛み物質」ではないので、鎮痛剤では効き目がありません。胃やおなかが痛いときに鎮痛剤を飲むと、かえって悪影響を及ぼすので飲んではいけません。

市販の薬を選ぶ場合は、どの部位の痛みに効くのか、パッケージに明記してある効果効能をよく読んで確認しましょう。わからないときは薬剤師に聞いてください。

噛み砕く、飲み足す、空腹時の服用はNG

(4)錠剤は砕いて服用した方が効き目が早いように思いますが、どうなのでしょうか。

正木医師:錠剤のコーティングには、胃で溶けずに腸で溶ける二重構造のものや、少しずつ成分が溶け出して効果の持続をはかる徐放(じょほう)タイプなど、種類や効き目の強さによって工夫がされています。

それを嚙み砕く、割るなどすると、逆に効き目が悪くなることがあります。また、必要以上に効いて胃や食道を傷めてしまうなど、不要なトラブルをまねくこともあります。

錠剤の中心に溝があるタイプを割って飲んでもいいと思う人が多いのですが、実はデザインである場合もあります。薬によって違うので、割って飲みたい場合は、医師や薬剤師に尋ねてください。

(5)空腹時に鎮痛剤を飲んではいけないと言われます。効き目が弱くなるのでしょうか。

正木医師:効き目ではなく、副作用で胃に悪影響を及ぼす可能性があるからです。鎮痛剤を空腹時に飲むと胃壁に直接薬剤が触れて、その刺激で胃壁を傷つけることがあります。

鎮痛剤のパッケージには、服用するタイミングは「食後」と明記してあります。そのとおりに飲んでください。鎮痛剤に限らず、「1日3回」とだけ表記されている薬は「毎食後約30分以内に飲む」と覚えておくとよいでしょう。

また、胃が弱い人、胃への副作用が気になる人は、「胃にやさしいタイプ」を選ぶか、胃薬をいっしょに飲んでください。

(6)鎮痛剤を飲んでも効き目が現れないときは、飲み足す、種類を変えるなど試みるとよいのでしょうか。

正木医師:(1)で説明したことに関係しますが、痛みが強い場合、鎮痛剤を飲んでもすぐに効かない場合があります。それは、飲むタイミングが遅れたことも原因と考えられます。

飲み足すなど、決められた量を超えて服用すると、胃痛など副作用のリスクが高くなります。鎮痛剤の用法や用量は「薬の効き目」と「安全性」の両方を考慮して決められています。もし、鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらない場合は、思いあたる痛みの原因によって、頭痛なら内科、筋肉痛なら整形外科、歯痛なら歯科などの医療機関を受診してください。

自己診断をせずに、パッケージに書かれた服用法を守り、わからないことがある場合は薬剤師に聞くことが重要だということです。痛む部位や症状に合わせて鎮痛剤を選び、服用法に気を付けて、痛みを緩和をしたいものです。

この記事は、後編に続きます。後編では、慢性の頭痛、二日酔いは鎮痛剤で改善できるのか、また月経痛に特化した鎮痛剤について、正木医師にお聞きします。

(取材・文 堀田康子 藤原 椋 / ユンブル)

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