入浴前に足湯…女医が実践する、冷えのセルフケア10の方法【臨床内科専門医に聞く】

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入浴前に足湯…女医が実践する、冷えのセルフケア10の方法【臨床内科専門医に聞く】

寒い時期はもちろん、一年中、足や腰が冷えて頭やおなか、胃、肩、腰、足まで痛むことがあります。そこで、女性外来で「冷え」の不調の相談をよく受けるという、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長に、ご自身が実践されている冷え対策についてお尋ねしました。

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冷えは全身にあらゆる不調をまねく

はじめに正木医師は、冷えが体に与える影響についてこう説明をします。

「体が冷えると、心身に多様な不調をまねきやすくなります。放置していると、血流不良や低体温で内臓の活動や免疫力が低下し、風邪、インフルエンザ、気管支炎、鼻炎、胃痛、下痢、月経痛や不順、不眠、頭痛、肩こり、腰痛、疲労、肌荒れなどのほか、イライラや憂うつ感もあるでしょう。

『デスクワーク中に膝(ひざ)から下がヒリヒリと痛み、少しして下痢になって半日ほど続いた』という患者さんはよくいらっしゃいます。食あたりではなく、また発熱やおう吐などほかの病気を疑う症状がない場合、足の痛みは冷えによるもので、それによって胃腸の不調をまねいたと考えられます」

入浴前、湯上り、寝る前、就寝時、オフィスで常に血流を促す

では次に、正木医師が実践しているという冷えの対策法を伝授してもらいましょう。

(1)入浴前に「足湯」をする
バスタイムはうまく利用しないと、冬はとくにかえって冷えをまねくことになりかねません。そこでお風呂に入る前に5・6分の足湯をしています。その後に冬は40度前後の、夏は38~40度ぐらいのぬるめの湯船で半身浴をすると、体が温まります。半身浴の際には、上半身が濡れると水滴が蒸発するときに気化熱で体温が奪われて冷えるため、肩にタオルをかける、Tシャツを着るなどしましょう。

下半身が冷えていると自覚したときは、カイロやストーブで温めるよりも、お湯に足をちゃぽんとつける足湯のほうが末梢の血管が拡張して血流が促されやすいでしょう。

(2)バスルーム内で脱衣し、体を拭く
お風呂に入る際には、あらかじめバスルームの壁面や床にお湯をまいて温めておき、衣服はそのバスルーム内で脱ぎましょう。脱いだ衣服はさっと外へ出せばOKです。

また、お風呂からあがる際には、脱衣所に出てから体を拭くのではなく、バスルームにタオルを持ち込んで、湯冷めしないうちにすばやく体を拭きましょう。とくに冬は脱衣所が冷えているので、濡れた体で脱衣所に出ると、気化熱で瞬時に体温が下がって冷えます。温度差で血圧が急上昇または降下して失神や脳卒中、心臓病を引き起こす「ヒートショック」の予防にもなります。

(3)オフィスや出先では「手湯」をする
全身を温めるには足湯がいいのですが、仕事中や時間がないときは、洗面所に少し熱めのお湯をためて、「手首までつける手湯」をします。その際、グーパーをする、手のひらをマッサージする、ひとさし指とおや指の骨のつけ根付近にある「合谷(ごうこく)」というツボを押すなどしています。「合谷」は、冷えや頭痛、肩こりの予防に作用するので覚えておくと便利でしょう。

(4)レッグウォーマーを履いて寝る
就寝中は、体温調節のために足の裏から多量の汗が出ます。足が冷たいからと靴下を履いて寝ると、汗が発散されずに足先が湿ってかえって冷えることになります。そのため、就寝時は発汗をさまたげずに、足首やふくらはぎを保温するかかとソックスやレッグウォーマーを履いています。血流が促されて、足先まで温まるでしょう。

(5)温かい食材を食べる

冷たい食べ物や飲み物は避けて、体が温まる食材を選びます。ニラやタマネギ、カボチャなどの根菜類、ショウガやシナモン、コショウなどの調味料、鶏肉・鶏や豚のレバーや、マグロやイワシ、サバなどの青魚がいいでしょう。

(6)ホットドリンクをこまめに飲む
冷えを感じる前に、また冷えたと感じた際にはすぐに、白湯やハーブティーを少しずつ飲んでいます。ホットドリンクを飲むと、のどから胸のあたりが温まったように感じるでしょう。消化管が温まり、気道に蒸気が入って乾燥を防ぐので風邪やインフルエンザの予防にもなります。

(7)カイロで温める
おへそのすぐ下と、背中のけんこう骨の間をカイロで温めます。胃がもたれる、痛いときは、おへその下ではなくみぞおちに、また、腰が痛いときは背中ではなく腰に貼って様子を見ます。血流が促進されて体温の上昇が期待でき、手先や足先まで冷えの緩和になるでしょう。

(8)「〇首」を温める
全身のうち、「首」とつくところ、「首、手首、足首」には太い血管が通っていますが、皮膚が薄いため気温の変化を感じやすい部位です。外出するときには、マフラー、手袋、レッグウォーマーで「首、手首、足首」を温めています。

(9)湯たんぽをおなかのあたりに置く
寝る1時間ぐらい前に、布団の中に湯たんぽを入れて温めておきます。まずはおなかや腰にあたる部分に置いておき、寝る直前に足元に移動させます。すると布団の中全体が温まって心地よく眠りにつきやすくなります。

(10)デスクワーク中や寝る前に青竹踏みをする
デスクワーク中は体を動かさないこと、また暖房が効いていても暖気は上昇するので、足腰はとくに冷えやすくなります。ひざ掛けをするのはもちろん、100円均一ショップなどで見つけた青竹踏みをデスクの下に置いておき、よく踏んでいます。足の指でグーパーの運動なども意識的にしています。寝る前にこれらを行うと、足の冷えのほか、足のつりの予防にもなります。

最後に正木医師は、冷え対策を有用にするコツについて次のアドバイスを加えます。

「体が冷えたと感じる前に温めることです。冷えてからケアをするよりもずっと温まりやすく、風邪や気管支炎などの予防に直結します。冷え対策は日ごろから常に実践しましょう。

また、冷えが深刻で頭痛や肩こり、咳、胃腸の不調、月経トラブルなどが続く場合は、何らかの病気が隠れていることもあります。早めに内科や婦人科を受診してください」

正木医師直伝の冷え対策、全部いますぐ自分で実行できることばかりです。原因不明の不調は冷えからかもと考え、普段からこれらのケアを積み重ねたいものです。

(取材・文 藤原 椋・藤井 空/ユンブル)

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