Getty Images Japan 島本久美子社長インタビュー 第2回

「理想の自分に苦しまないで」グローバルに働く女性リーダーからマジメな貴女へ

「理想の自分に苦しまないで」グローバルに働く女性リーダーからマジメな貴女へ

百聞は一見にしかず——という言葉があるように、たった1枚の写真が私たちに強烈なメッセージを伝えることがあります。世界中のメディア、ポップカルチャー、広告、アートのクリエイターたちがいったいどのような写真を求めているのか、「検索ワード」からも社会の動きを知ることもできるのです。

世界最大級のデジタルコンテンツカンパニーであるゲッティイメージズは、デジタルコンテンツ(静止画、動画および音楽)を世界 100 カ国以上に提供しています。さらに、年間4億点を超えるライセンス購入された素材や年間10億回を超える検索キーワードを分析するとともに、メディアやポップカルチャー、広告、アートシーンの重要なイベントを研究し、毎年、世界基準のビジュアルトレンド「Creative in Focus(クリエイティブ・イン・フォーカス)」を発表。

ビジュアルトレンドは社会を映し出す鏡。そこから見えるものをキーワードにしつつ、働く女性の悩みを“先輩”であるゲッティイメージズ ジャパンの島本久美子社長にぶつけてきました。

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失敗が怖い貴女へ

――前回は、日本の女性は我慢しがちで人と比べがち、という点からお話をお聞きしました。それに加えて、他人と違うことをするのが怖い、というのもよく聞きます。

島本久美子さん(以下、島本):勇気やチャレンジというものは、西欧社会だとすごく評価される素質ですから、日本でももう少しFirst moverを評価してほしいですよね。たとえ失敗したとしても、とりあえずチャレンジした人をたたえることができる社会になればいいのだけれども、どうすればそうなるのか……。

――結果が残念だと、たたえるよりも先に「あーあ」という感情が湧いて来てしまうので、「失敗は評価を下げる=チャレンジが怖い」と思ってしまうんですよね。自分が人をたたえたり褒めたりするところからスタートすればいいのかな、とも思います。

島本:あとは、やっぱり自分を好きになることですよね。叩かれても、他人に何を言われても、自分のことが好きなら気にならないですから。

――なるほど。真面目でストイックな人ほど「今の自分じゃだめだ」って、理想の自分と比べた今の自分を嫌いになりがちですが、それについてはどう思われますか。

島本:あまり「理想の自分」を持たなくてもいいと思うんですけどね。「今のあなたが好きよ」って現実の自分に言ってあげよう! そのうえでよりよくしていけばいいと思います。

「理想の自分」って、おそらく本来の自分のモチベーションとは違う、社会や親から与えられた影響で持つモチベーション由来のものですよね。こうしなければいけない、こうあらねばいけないとか、社会的プレッシャーが「理想の自分」を形作っているのだろうから、そこから解放されて、本来のモチベーションに立ち返ってほしいと思います。

本来のモチベーションというのは、自分が本当は何をするのが好きなのかということ。「これだけは放っておいてもやっちゃう!」というものは大事にすべきで、それをあらゆることに結び付けられれば、自信にもつながっていくんじゃないかな。たとえば、日々のお金を稼ぐための仕事も、自分が楽しいと思うこととかモチベーションを感じることと動機付けることでより楽しくなって、やりがいや自信がついてくるというふうに。

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自己完結できる人間になる

――ゲッティイメージズが2018年に発表したビジュアルトレンドで「Masculinity Undone(脱・男らしさ)」というのがありましたが、今まで「男らしさが正義!」「それこそがメジャー!」って思い込んでいた人からすると、トレンドがひっくり返ることによって自分がマイノリティーになってしまうわけですよね。

「これまでの俺の生き方が否定された」と絶望するかもしれない。これって、あらゆる価値観で起こりうることだと思うんです。価値観がブンブン揺さぶられてしまう時代を生きるうえで、気をつけておくべきことってありますか?

島本:やっぱり自分を好きになって、自分に忠実でいることじゃないかなと思います。そうしたら振り回されないですよね。

――あと、価値観が揺さぶられて不安になると、自分がマイノリティーになるのが怖いがゆえに他者バッシングにつながったりしますけど、そうならないためにはどうしたらいいでしょうか。適度にいい意味で他人に無関心でいることが必要なんじゃないかと思うんですが……。

島本:私は基本的に他人に干渉する人ではないのだけど、それは自分がやりたいことがあり余っているからなんですよね。自分が関心を持てることがあって、それに時間を費やしていれば、必然的に他人に過度な関心を持たずに済むと思います。

――「適度に」無関心でいるって難しいですよね。だって、困ったときには助けてほしいですし、そのためには人を助けないといけないですし。

島本:「自分も助けてあげたのだから、困っているときには助けてくれるはず」という期待は持たないほうがいいと思いますよ。期待を持つと、「なんであのとき助けてあげたのに、私が困っているときに助けてくれないの」と負のスパイラルに陥ります。

他人に期待してしまうのは、依存と紙一重な部分があって、依存される側にとってはちょっと重いですよね。きちんとお互いに助け合うことができている人たちを見ると、自立している、自己完結している人同士のほうが多いといえます。逆に、何でも頼ってくる人は周りから距離を置かれがちです。だからこそ、まずは自立すること、自己完結できる人間になることが大切です。

――他人と比べて落ち込むとか、失敗が怖いときには、自己完結できているか問い直すといいかもしれませんね。

島本:そのためにも、もともとの自分のモチベーションに立ち返ることですよ。自分に忠実に!

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次回は12月21日(金)公開予定です。
(構成:須田奈津妃、聞き手:Duniakita編集部 安次富陽子、撮影:大澤妹)

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