『小西美穂の七転び八起き』インタビュー第3回

「東京来たらホンマにゼロからやった」35歳で人脈も住む場所もリセットした私が伝えたいこと

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「東京来たらホンマにゼロからやった」35歳で人脈も住む場所もリセットした私が伝えたいこと

仕事やプライベートで行き詰まったり、失敗したりすることは誰にでもあること。壁にぶつかるのは仕方ないと思っていても、ふとしたときに弱気になって「転ぶ」ことさえ怖くなってしまうことも……。

日本テレビの解説委員・キャスターで、現在は夕方の報道番組『news every.』(月~金曜午後3時50分~)に出演中の小西美穂さんが『小西美穂の七転び八起き デコボコ人生が教えてくれた笑って前を向く歩き方』をこのほど上梓しました。

同書は「日経ウーマンオンライン」の人気コラム連載を書籍化。仕事や恋愛、友情、家族……思い通りにならなくても、失敗して転んでも、そのたびに起き上がってきたという小西さんのエピソードがてんこ盛りにつづられてており、働く女性にエールを送っています。

こんなキラッキラのキャスターがどうやって転んできたの? 私、30代になっても相変わらず転んでるけど大丈夫? そもそも、どうやって起き上がるんだっけ?

自らを「逆境のベテラン」と称する小西さんに4回にわたってお話を聞きました。

【第1回】“逆境のベテラン”の私が伝えたいこと

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35歳でゼロからのスタート

——小西さんがロンドン赴任から帰ってきたのが35歳。それから、2年の日本テレビへの出向を経て日テレに完全に籍を移したのですね。契約社員からのスタートとあって、驚きました。系列局だから正社員としてそのまま引き継がれるのかと勝手に思っていました。

小西:読売テレビに新卒で入って入社15年目になってたんです。そこから日テレに途中入社するんですけれども、当時、私の立場で終身雇用で途中入社できる制度はなかったんです。だから、日テレに行くのであれば契約社員からのスタートになるんですね。3年経ってから、終身雇用の職種別の正社員に切り替わったのですが。

——もちろん、住む場所も変わるし、今まで築いてきた人脈もあるわけですよね? 20代のときは新しいことに挑戦しやすいと思うのですが、30代半ばでキャリアも築いてくると、新しい場所に飛び込むというのが勇気がいるなあと。

小西:東京に来て結構辛い目にあうんですよ。東京の地名もわからないとか。「日本橋(にほんばし)」も大阪は「日本橋(にっぽんばし)」があるんですよ。挙げたらキリがないのですが、まず地理がわからない。そういう人が記者をやると大変なことになるんです。

一事が万事、その調子だったので、なかなか仕事のペースをつかめずまわりの方にだいぶ迷惑をかけましたね……。

——本にもその当時の苦労がつづられていました。

小西:でも、それはやってみて辛い思いをして、初めてわかることなんですよね。逆にいえば、やる前から「こんなことがダメだろうな。あんなことがダメだろうな」と考えない人間だからできたことなのかもしれない。

ただ、大阪からロンドンに行ったでしょ。それで、ロンドンから大阪に戻るはずが東京に行くでしょ。東京は私にとって縁もゆかりもないから、海外支局みたいなものなんですよ。海外支局に行って、またどこかの全然知らない場所に行くっていう……。そう考えるとだんだん面白くなってきたんです。

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——ロンドンも東京も一緒だ、と。

小西:それにね、取材をするものがすべて全国ネットで流れるというのは、大阪のローカル局の記者からすると、すごくうれしいことなんです。自分が取材したこと、取材した原稿、リポートが全国ネットで流れる。

もちろん大阪での記者仕事もやりがいがあったのですが、全国ネットニュースの最前線に行って、本当に今、みんなが注目している渦中の人物にアタックできるというのは、私にとってはとても面白くてやりたいと思ったんですよね。

もっとやりたいし、あんなこともやりたい、こんなこともやりたいという気持ちのほうがずっと強かった。東京に来ると大阪の人脈やキャリアがリセットされるというのは全然考えてなかったです。

——「やりたい気持ち」のほうが勝ったんですね。

小西:まあそうは言っても、東京に来てどんどん壁にぶち当たってくると、「なんや。ホンマに大阪ではね、まあまあの記者。自分で言うのもアレですが、まあまあの記者やったけど、東京来たらホンマにゼロからやな」って(笑)。

ダウンタウンの松ちゃんが「大阪の芸人は、二度売れんとアカン」という主旨のことをおっしゃってたのですが、すごく共感しましたね。

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「学び」は決して無駄にならない

——キャスターになってからも話のプロを養成する学校に通い始め、アナウンサー志望の学生と混ざって授業を受けたというのも驚きでした。

小西:『深層NEWS』のメインキャスターをしていた43歳の頃ですね。ダメダメだったときです。

——実は私も編集の知識が足りていないので編集の講座に通い始めたのですが、どこか「恥ずかしい」という気持ちもあって。友人も「海外留学して語学を学びたいけれど、20代でもあるまいし今さらかな。まわりは『MBAとるぞ』とか言っているのに……」とこぼしていました。

小西:全然恥ずかしくなんてないですよ。そんなんね、見てません。人は思ったほど、全然見てないです。恥ずかしいということよりも、そこに行って「こんな簡単なことやったんか。予想外であまり自分のためにならへんかったな」と思うのか、「来てよかった、すごくためになった」と思うのか、それはわからないですよ。

でも、きっと前に進むという行動が自分の自信につながるし、何かヒントが絶対そこで見つかると思うんですよ。

一発でマッチするかどうかわからない。でも行って見て、そこに来ている人やそこで教えている人を見て、次こういうところで学んでみようという道が見えてくる。何かをやろうとしている人には、芋づる式にいろいろな人が見つかってくると思うんです。

——「この年で」って思う必要はないんですね。

小西:全然ないです。ひとつの取材というか、私も学校に通っていたときは、どんな人が来ていて、どんな人生を送っていて、なぜアナウンス学院に来ているのか? を観察していました。社会人も来ていたけれど、証券会社で投資家にセミナーをしている人や主婦で学び直しをしたい人とかいろいろな人がいた。

何も画面に出ている人ばかりが話し方の教室に行っているわけではないんですよね。「そういう仕事もあるんだ。この人すごいな」と知れたのは大きかったですね。

人が変われるのは、行動してからなんです。だから、本を読んだり、ウェブを見たり、私の転ぶ話でよかったら参考にしていただいて、何か感じてくれることがあって、読んでるだけでは変わらないから行動する。何か自分で始めてみる。

行動することで、人は変われるからどんどん学びに行ってくださいって思います。きっとそれは決して無駄にならないから。

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※次回は11月26日(月)公開です。

(聞き手:Duniakita編集部・堀池沙知子、写真:宇高尚弘/HEADS)

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