多忙女子に多い「隠れ便秘」って? 自分でチェックしてケアする方法【専門医が教える】

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多忙女子に多い「隠れ便秘」って? 自分でチェックしてケアする方法【専門医が教える】

何日も出ない、おなかが張って苦しいなど便秘には複数の症状があります。

しかし、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長は、「毎日お通じがあっても便秘である場合もあります。『隠れ便秘』と呼ぶ状態ですが、これを訴える患者さまはとても多く、放置すると便秘はひどくなっていきます」と話します。

「隠れ便秘」とはどういう状態なのでしょうか。詳しく教えてもらいました。

なかなか出ない、硬い、コロコロは「隠れ便秘」

——「便秘」には医学的な解釈があると聞きました。まず、それを教えてください。
  
正木医師:日本内科学会では「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」、日本消化器病学会では、「排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指す」と定義しています。

また、2017年12月には、日本消化器病学会の関連研究会によって、日本では初めてとなる便秘のガイドライン「慢性便秘症診療ガイドライン」が作成されました。それには便秘は、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」とされています。

これはつまり、逆に何らかの原因によって飲食が十分でない場合は、腸内に「本来体外に排出すべき糞便」の量が少ないので、排便回数や量が減少して当然であり、必ずしも真の便秘とはいえないということです。

——便秘の解釈も多様なようですが、単に数日お通じがなければ便秘だ、というわけではないのでしょうか。

正木医師:そうです。排便の回数が少ない、あっても便が硬くて量が少ない、それだけでなく、「排便時に苦痛がある」状態なら、それは「便秘症」と診断します。

——そうなりますと、あてはまる人は多いと推察できます。では、理想的な便通とはどういう状態なのでしょうか。

正木医師:トイレに入ってから数分以内で排便があって、残便感がないこと、これが理想の状態です。

——「出る」だけでなく、スッキリすることが重要なのでしょうか。

正木医師:そうです。毎日便通があったとしても、なかなか出ない、出ても便が小さくて硬くコロコロしている、あるいは拭いても拭ききれない場合など、「残っている感じ」がするのはよい便通ではなく、実は便秘の状態です。

ただ、出ていることに意識がいって、便秘だと気づかないことが多いのです。これが「隠れ便秘」です。

「隠れ便秘」はストレスフルな女性に多い

——便秘は男性よりも女性に多いイメージがあります。

正木医師:便秘が女性に多い理由のひとつに、男性に比べて腹筋や横隔膜の筋力が弱いため、便を排出する力が弱いことが挙げられます。また、女性ホルモンの1つである黄体(おうたい)ホルモンは体に水分や塩分を溜め込むように作用するため、腸壁から便の水分が吸収されて便が硬くなることもあります。

また、恥ずかしさからトイレを我慢しがちなことも、女性の便秘を増やしています。

——便秘が女性に多い理由がわかりました。では、「隠れ便秘」はどうでしょうか。やはり女性に多いのでしょうか。

正木医師:そうです。とくにストレスがある女性に「隠れ便秘」が多くみられます。なぜかと言うと、たとえば、「休日の朝、ゆったりと朝食をとったあと、自然な便意があってトイレに行くとすぐに排便があって、スッキリした」という経験は誰しもあるでしょう。このように、スムーズな排便には時間と気分的な余裕が必要です。

ところが、仕事や家事で忙しい女性にとっては、朝は1日のうちでもっとも慌ただしい時間帯です。どうしてもドタバタして、トイレの時間をゆっくり取れないことが多いのではないでしょうか。

それに、残業が続く、勤務時間が不規則だと、毎日同じ時間に食事をとれないこともあるはずです。さらに仕事後に付き合いや飲み会があって就寝時間が遅くなると、睡眠の時間も質も低下します。そうなると、疲労が溜まって自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位に立って消化吸収をさまたげるため、便秘をまねきます。

——休日に「寝だめ」をすると、便秘の改善はできますか。

正木医師:休日に充実した睡眠がとれて疲労が回復し、トイレにゆったり入れるなら改善を期待することはできるでしょう。

ただし、平日は朝早くから遅くまで起きていて睡眠不足、休日は昼すぎまで寝るといったことが続くと、睡眠のリズムが悪くなり、これもまた自律神経のバランスが乱れる原因になります。

お通じがあっても便の状態が良くないときは、早めに「隠れ便秘」だと察して、リラックスした時間を持つようにしましょう。

朝一杯の水を飲んで、朝食をゆっくりとる

——「隠れ便秘」を自分でケアする方法としては、やはり下剤が良いのでしょうか。

正木医師:便秘で下剤を飲むと一時的にはいいかもしれませんが、自然な便通が困難になる、また大腸が過敏になって下痢をするなどのトラブルが起きることがあります。便秘だからといって安易に下剤に手を出さず、まずは自分でできる生活習慣の見直しを試してください。

——具体的に、どのような方法がありますか。

正木医師:もっとも簡単なのは、朝起きたら、一杯の水を飲む
ことです。腸が刺激されて便意をもよおすだけでなく、カチコチになった便に水分を与え、排泄しやすくなります。

そして15分早起きして、ゆっくり朝食をとりましょう。もちろん、その前提として、睡眠時間を7時間はとってください。また、通勤時に一駅分は歩くなど、適度な運動を継続する
のも有用です。

さらに気を付けたいのは、ストレスを溜めないことです。ストレスの原因を見つめ、自分に合った気分転換の方法を身につけておき、ストレスと「隠れ便秘」の改善を実践しましょう。

「隠れ便秘」に思い当たる人も多いでしょう。毎日便通があるから大丈夫、出なければ下剤を使えばいいと安易に考えずに、いち早く「隠れ便秘」を自覚して、生活習慣を整えることが快便への第一歩ということです。まずは朝の時間をゆったりとることから始めてはいかがでしょか。

(取材・文 堀田康子・藤井 空/ユンブル)

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