朝起きられない、めまい、冷え、肩こりは低血圧だから?【臨床内科専門医が教える】

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朝起きられない、めまい、冷え、肩こりは低血圧だから?【臨床内科専門医が教える】

目覚まし時計が鳴ってもすぐに起きられない。やっと起きても頭が重い、どんより感が午前中いっぱい続くなどで、朝から元気になれない女性は多いようです。

「そうした症状は、低血圧が原因の可能性があります」と指摘するのは、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長。

低血圧の特徴や改善の方法について聞いてみました。

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最高血圧が100以下なら低血圧

はじめに正木医師は、低血圧の症状についてこう話します。

「朝の目覚めが悪い、頭が痛い、肩や首がこっている、発熱はないのに体がだるい、疲労感がある、めまいや立ちくらみ、耳鳴り、動悸(き)、吐き気、不整脈、胃もたれがする、また、イライラや憂うつ感が強いなど、日常的にこうした症状があって、とくにほかの病気ではないとき、不調の原因に低血圧が疑われます」

次に、血圧や低血圧とは何かについて、正木医師は説明を続けます。

「まず、血圧とは、血液が血管の壁を押し広げる圧力のことです。高血圧については国際的に診断基準となる数値があるのですが、低血圧については現在のところありません。

日本の病院ではおおむね、低血圧とは『最高血圧(収縮期血圧。一般に「上」のこと)が100mmHg以下』であることを目安としていますが、医師によっては110〜100以下、または110〜85を目安にする場合もあります」

では、最高血圧が100以下であれば、不調が起こりやすいと言えるのでしょうか。

「100以下でも生活に支障がない人もいます。その場合は、治療の必要はありません。また、症状がつらい人では、起き上がれない、朝は憂うつ、午前中はめまいがひどいなど、症状が多岐に及びます。低血圧による影響は個人差が大きいと言えます」

体質ではなく「低血圧症」という病気かも

高血圧は病気として認識されているようですが、低血圧は「体質」のイメージがあり、周囲から「怠けている」と見られると悩む人もいます。正木医師は、「それは間違いです」として、こう説明を続けます。

「低血圧で、日常生活に支障を来す症状がある場合は『低血圧症』と言う病気であり、治療の対象となります。次に紹介するようにいくつかのタイプがあるので、まずは自分がどれに当てはまるのか、あるいは近いのかを確認しましょう」

・本態性(ほんたいせい)低血圧 
最も多いタイプ。「本態性」とは医療用語で、症状はあるけれど原因が明確ではないことを表わす(高血圧の場合も「本態性高血圧」がある)。このタイプは原因となる病気が見当たらないが、慢性的に血圧が低く、頭重感、めまいやけんたい感などの症状があって生活に支障がある。体質や遺伝、ストレスが原因と考えられている。

・起立性低血圧 
寝ている、または座っているときの血圧は正常なのに、ベッドから起き上がったり、椅子から立ち上がったりしたときなどにふらつく、立ちくらみを起こす。最大血圧が20以上、急に下がることがある。

・二次性低血圧
ほかの病気や薬の副作用が原因で低血圧になるタイプ。心臓や甲状腺、腎臓の病気や糖尿病が原因の場合がある。

ここで正木医師は、自分の状態の認識の注意として、

「血圧が低いからと『低血圧症』だと思い込み、仕事や生活に積極的になれない人もいます。治療でも薬よりまず、生活習慣の見直しから始めます。セルフケアとして自分でできる方法を実践していきましょう」とアドバイスをします。

ストレスを改善して自律神経のバランスを整える

低血圧に悩むのは女性が多いと言われますが、それについて正木医師は、次の指摘をします。

「低血圧は、血液の流れる勢いが弱い状態で、心臓に血液が戻りにくく、脳の血液量が少なくなります。女性は男性に比べて血液量が少ないため、女性に多い症状と考えられます」

午前中は頭がぼーっとして気合いが入らず、立ちくらみもよくあって仕事に支障が出やすいという女性がいます。

血圧をコントロールしているのは、自律神経です。自律神経には、緊張しているときに働く『交感神経』と、リラックスしているときに働く『副交感神経』があり、互いに作用しあって体調のバランスをとっています。

ところが、ストレスがあると緊張で交感神経が優位になり、副交感神経とのバランスが乱れて血圧の調整が難しくなります。仕事や睡眠不足などのストレスが溜まっていないかを見つめ、まずはストレスを改善しましょう」と正木医師。

食事の工夫で低血圧を改善

続いて、低血圧のセルフケアとして、正木医師はまず睡眠について、「低血圧の人にとって睡眠不足は大敵です。早めに寝る習慣を身につけて、毎日7時間は眠るようにしましょう」と話し、また、食事の方法についてこう具体的に説明をします。

「低血圧の人は朝はとくに食欲がわかず、食事を抜くという患者さんは多いのですが、それでは1日の始まりに栄養のチャージができず、また、栄養のバランスも崩れがちになります。1日3食、それぞれできるだけ栄養のバランスがよい食事をとりましょう。

とくに血液や血管にとって重要な栄養素が、タンパク質です。肉や魚、乳製品、大豆食品を毎食とるように心がけてください。さらに、野菜や海草類などで不足しがちなビタミン、ミネラル分を補いましょう。

また、体の水分が減ると血圧が低下しやすくなります。1日1~2リットルの水を少しずつに分けて、こまめに飲むとよいでしょう」

正木医師はさらに、運動を実践するように伝えます。

「低血圧の人は、体の末端部、つまり手や足の血管の収縮力が弱く、血液の循環が悪くなる傾向があります。毎日30分~1時間歩く、また軽いスクワットなど筋トレを続けるなどしてふくらはぎを鍛えると、下半身から心臓に戻る血液の循環がよくなります。

起床時やデスクワーク時は血流が滞って急に立ち上がるとめまいを起こしやすいので注意をしながらゆっくりと立つ、バスタイムにはシャワーだけではなくぬるめのお湯につかる、手足を冷やさない、肩がこる前にストレッチをするなども有用です。こうして3カ月ほど続けると、自律神経のバランスが整っていくでしょう」

朝のだるさ、寝起きや機嫌の悪さは、体質だとあきらめることではないということです。まずはストレスを改善し、睡眠と食事を見直し、運動を継続するなど3カ月は実践し、朝から元気な笑顔で過ごせるようにしたいものです。

(取材・文 堀田康子 ・藤井 空 / ユンブル)

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