サントリー 脇奈津子さんインタビュー 後編

頑張りすぎは逆効果。仕事で本気を出すための“手抜き”術

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頑張りすぎは逆効果。仕事で本気を出すための“手抜き”術

「あー疲れた」。ときにはエナジードリンクをぐいっと飲みほして気合いを入れることも大切ですが、毎日急発進していたらタイヤが摩耗してしまうように、人も心身を消耗してしまいます。

そんな現代人の悩みに着目したのが、サントリーで商品開発を担当している脇奈津子(わき・なつこ)さんです。今年発売された「サントリー 南アルプスPEAKER ビターエナジー」(以下、PEAKER)は、キャップつきのペットボトルに入っている新しいエナジードリンク。自分のペースでエネルギーをチャージできると評判を集めています。

この商品を生み出した脇さんも、ここぞのときに本気を出すために普段はとことんマイペースで仕事をしている一人。調査から開発まで妥協することなく信念を持って取り組み、販促のために全国を飛び回るなか、どのように自分のペースを調整しているのでしょうか。

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【前編はこちら】興味ゼロの仕事を“自分ごと化”して育てる方法

何事も「頑張りすぎ」は禁物

——仕事もプライベートも頑張りたいなぁとは思いますが、毎日フルスイングだと疲れてしまいそうです。どうすれば上手に“手抜き”をしながら自分のペースを作れますか?

脇奈津子さん(以下、脇):私の場合、「これは自分でやるよりも、あの人に頼んだ方が上手く仕上がりそうだ」と思ったら、人に任せています。具体的には、資料はなるべく自分で作らないようにしているんですよ。

というのも、私はこれはよさそうだというアイデアを出したり、行動を起こすのは得意だけど、それを構造化したり、事務作業は苦手なんです。だから企画や商品開発に時間を費やすために、書類をまとめる事務作業は2~3時間だけと決めて、プレゼン用の資料作りや調査結果のグラフ作成等の事務作業は社外の調査会社の当面の優秀な担当者や関連部署のデータ管轄チームの専門の方々に頼ってお願いしています。

——……ということは、もしかしてプライベートも外注派?

脇:そうですね、時間は有限なので。自分と、小学5年生になる子どもの健康を考えて、食材は基本的に自分で選んでいますが、子どもの塾弁作りや夕飯は週に3回来てくれる家事代行サービスに任せています。

料理ができないわけではないのですが、仕事も家事も全部自分でやろうと思うと、次から次へと背負うタスクが増えてしまいますよね。だから、「日本のTHEお母さん像」に縛られず、頑張りすぎないようにしています。

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壁になる人物が現れたとき、どうかわす?

——仕事をしていると、マイペースに行こうと思っても上司や先輩からブレーキがかかったり、「早く!」とプレッシャーをかけられたりすることもありますよね。そういう“壁になる人”が現れたとき、脇さんはどうやって対処していますか?

脇:相手が役員でも有識者でも、納得できないときは率直に伝えています。「仕事に追われて疲弊している現代人の力になるまったく新しいエナジードリンクを作りたい!」と真剣に考えて開発しているので、社内のちょっとした壁にぶつかったからといって、立ち止まるわけにはいかないんです。

もちろん、自分の意見をはっきり言うと「出る杭」とみなされて徹底的に打たれることもありますよ。だけど、私の気持ちを根底から理解してくれる人が100人に1人いればいいと思っています。

——100人に1人……。なかなか少ないですね。理解されないことにイライラしたりしませんか?

脇:そうですね。20代~30代の頃は、私の考えを否定する99人に反発し、「この人は仕事ができない人に違いない」と決めつけていました。でも最近、気づいたんです。お互いを否定していても、何も生み出さない。

否定的な意見って、みんな意地悪で言っているわけではないんですよ。どの視座で経営を見ているかにもよるし、それぞれ培ってきた仕事のやり方がある。イライラにとらわれないで、それぞれ得意分野を生かして助け合ったほうが建設的だなと思えるようになってきました。

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「事なかれ主義」は正しい?

——家庭でも職場でも、脇さんは自分のペースを保ちながら「ここぞ」というところで力を発揮していますよね。でも「仕事は仕事」と割り切って、「事なかれ主義」で進めようとする人も多いように感じます。

脇:忖度するオトナな人ほど上手に振舞いますよね。上司の顔色をうかがって適当に済ませたり、少しでも問題があると事業を中断したり……。でも、本当にそれでいいのかなと私は思うんです。

せっかく時間をかけてつくりあげてきたプロジェクトが、ちょっとしたコミュニケーション不足や、「まぁいっか」という中途半端な諦めで消滅してしまったら悲しいじゃないですか。

「PEAKER」の開発だって上から降りてきたプロジェクトといっても、リリースまでにはたくさんの課題がありました。ペットボトルに入ったエナジードリンクが本当に必要とされているのか、自然派素材にこだわった飲料が求められているのか、何度熱い議論を交わしたことか。上層部や関連部署等からの反論も多々ありましたが、大量の仕事に追われている現代人にはどうしても新しいエナジードリンクが必要だと信じて開発を進めました。信じたことを貫き通すのはしんどいけれど、自分が「事なかれ主義」に染まるのはイヤなので、進むしかないんですよね。

もちろん、それができたのは、お互いの得意分野をいかしてともに仕事を進めてきたチームメンバーのおかげです。一人だと速く走れるけれど、遠くまでは走れない。だから困ったときは積極的に自分の弱みを認めてさらけ出して、自分とは違う力を持っている人の強みを借りる! その結果プロジェクトが成功し、世の中が少しでも明るくなるなら、仕事や家事の手抜きは、もはや手抜きではなく「一つの頑張り方」だと思います。

サントリー 南アルプスPEAKER ビターエナジー

サントリー 南アルプスPEAKER ビターエナジー

10月15日(月)特別編として脇さんの働くルールをご紹介します。お楽しみに!
(取材・編集:Duniakita編集部 安次富陽子、文:華井由利奈、撮影:大澤妹)

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