甘いドリンクの飲みすぎに注意! 「ペットボトル症候群」とは?【糖尿病専門医が教える】

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甘いドリンクの飲みすぎに注意! 「ペットボトル症候群」とは?【糖尿病専門医が教える】

水分補給に、風邪や熱中症、乾燥の対策にと、一年中ペットボトルのドリンクを手放せません。

糖尿病専門医で臨床内科専門医でもあるふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)の福田正博院長は、「清涼飲料水は大量に砂糖が含まれているタイプが多く、がぶ飲みを続けていると、血糖値が急上昇して、異常なのどの渇き、吐き気、けんたい感、多尿、重い場合は意識の低下などを起こす『ペットボトル症候群』を発症する若い人が増えています。アイスやフルーツの缶詰の食べすぎでも同様です」と警告を鳴らします。詳しいお話を聞いてみました。

糖尿病専門医の福田正博先生

糖尿病専門医の福田正博先生

甘い清涼飲料水は、大量の砂糖を飲んでいる

——「ペットボトル症候群」という名称が印象的ですが、甘いドリンクの飲みすぎでそのような体調不良が起こるのですか。

福田医師:「ペットボトル症候群」とは、正式には「清涼飲料水ケトーシス」と言います。糖分が高い清涼飲料水を大量に飲んで血液中のブドウ糖の濃度が急激に高まって高血糖になるために発症する、複数の症状の通称です。これは急性の糖尿病で、症状は先に話したとおりですが、のどが渇くからまた甘いドリンクをがぶ飲みして悪循環となります。

甘いドリンクを好む10代~30代に多いことも特徴のひとつです。とくい夏の暑い日に大量に飲んで発症する、また、それがクセになって飲み続けて秋に発症する例もあります。

——ジョギングやテニスなどのスポーツ後や暑い日は、2リットル入りのペットボトルのスポーツドリンクを飲み切っていますが、問題はありますか。

福田医師:500ミリリットル入りのスポーツドリンクには、50~70グラムの糖分が含まれています。角砂糖は1個4グラムなので、これは角砂糖12~15個分に相当します。2リットルを飲んだ場合は、約1,000キロカロリーを摂取していることになります。

フルーツジュースや野菜ジュース、ミルクティーやカフェオレなど缶飲料も含め、おおまかに全体量の10%は糖分のタイプがあるということを覚えておいてください。

——スポーツドリンクとは、文字通り、スポーツ時に飲むことを推しょうされているイメージがあります。糖分について理解していませんでした。

福田医師:ネーミングや印象から、体にとって良いと思って飲んでいるうちに、糖分のとりすぎになっていることがあるわけです。

ペットボトルに原因があるわけではなく、缶やビン入りの糖分が高い清涼飲料水や、フルーツでも同じことが言えます。甘いドリンクを飲んで、のどが渇くからと、また別のスポーツドリンクを飲む人がいます。中高生や若い世代は無意識に飲んでいることが多いようですから、注意をしてください。

——高血糖の状態が続くと、体ではどういった変化が起こるのでしょうか。

福田医師:血液中の糖分が増えると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されて糖をエネルギーに変えるように働きます。しかし高血糖が続くとインスリンが不足する、また効き目が悪くなり、糖を活用できなくなります。

すると、また血糖値が高くなり、脂肪やタンパク質がエネルギー源として使われるようになります。このとき、脂肪が利用される際に血液中にケトン体という酸性の物質が作られますが、これが血液中に溜まりすぎると血液が酸性になって、全身のけんたい感や腹痛、おう吐を引き起こします。最悪の場合は意識障害から昏睡にいたることもあります。

「カロリーゼロ」「糖質オフ」でも糖分ゼロではない

——「カロリーゼロ」、「無糖」などのドリンクを選べば大丈夫でしょうか。

福田医師:そうした表記があると、当然糖分は入っていないと思うかもしれませんが、現行の健康増進法による栄養表示基準では、100ミリリットルあたりのエネルギーが5キロカロリー未満なら「ノンシュガー、カロリーゼロ、無糖」などと表示できることになっています。

また同様に、20キロカロリー以下なら、「糖質オフ、低糖、微糖」などと表示することができます。500ミリリットルの「糖質オフ」のペットボトル飲料を飲んだ場合でも、100キロカロリー近くをとることがあるのです。したがって、これらの表示があっても、必ずしも糖分がゼロというわけではないことを覚えておきましょう。

——では、ドリンクをどう選べばいいのでしょうか。

福田医師:購入する前に必ず、ラベルに記載されている「栄養成分」の「炭水化物」の量をチェックしてください。炭水化物は糖質と食物繊維を足したもので、この数値が低いほど、糖質の量が少ないと判断できます。「0」のドリンクを選ぶのがベストです。

また、甘い清涼飲料水は熱中症対策の水分補給には適しません。水分補給としては、水やお茶と梅干し、また熱中症対策用の飴やタブレットを活用しましょう。

——「ペットボトル症候群」になりやすい体質はありますか。

福田医師:糖尿病の血縁者がいる方、健康診断の体重の項目で「要注意」が出るなど、肥満傾向の方、糖尿病予備群といわれた方はとくに注意してください。また、10代〜20代の若い世代は甘い飲み物、食べ物を好む傾向がありますが、くれぐれも、一気飲みやがぶ飲み、毎日飲み続けることはやめてください。

——ありがとうございました。普段、口当たりがいいからと好んでいた甘いドリンクは、過剰に飲むと高血糖による症状をまねくことがあるということです。水分補給には水やお茶を利用し、清涼飲料水を選ぶときには表示ラベルを確認するようにして、日ごろから摂取する糖分には注意を向けたいものです。

(取材・文 品川 緑 / ユンブル)

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