三日坊主防止アプリ「みんチャレ」・長坂剛さんインタビュー 第2回

目からウロコの続けるコツ。習慣化を目指すならシンプルに考えること

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目からウロコの続けるコツ。習慣化を目指すならシンプルに考えること

忙しいビジネスパーソンの間で話題の「みんチャレ」は、三日坊主を防止してくれるスマホアプリです。実際、三日坊主に悩むDuniakita編集部の安次富が、習慣化のコツについて開発者でエーテンラボ代表取締役CEOの長坂剛(ながさか・ごう)さんに話を聞くこの企画。

第2回は「どうしたら習慣化できるの?」と率直な疑問をぶつけました。

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【第1回】続けられないのは、私がズボラなせい?

行動を変えるにはフィードバックが大切

——スマホアプリでも環境を変えるのに十分だと知って、習慣化のハードルがちょっと低くなりました。「みんチャレ」では5人でチームを組んで挑戦しますよね。なぜ5人なのですか?

長坂剛さん(以下、長坂):私たちは、「5人1組の励まし合いコミュニティとAI(人工知能)」によって、「目標の習慣化」という課題に対してのソリューションを提供しています。まず、チームで取り組む理由について説明しますね。「みんチャレ」の中には、いくつかの行動変容の技術が使われていて、その一つがフィードバックです。ゲームを面白いと感じる理由には、適切なタイミングでゲームからフィードバックが来るからだとご存知ですか?

——うーん。そんなのありました……?

長坂:例えば、ボタンを押したら宝箱が開くとか、操作するとキャラクターが思った方向に動くとか。それらは全てユーザーが行動することで生まれるフィードバックなんです。

——ああ! 理解しました。

長坂:必殺技を唱えると画面が派手に動くとか、そのような仕掛けの連続でユーザーをハマらせ、ゲームが楽しくなるようにしていく。適切なフィードバックが与えられることで、人は行動変容していくんです。

これは、先生から毎日指導されるというような、1対1だと効果的なのですが、それをやるには先生を見つけないといけないし、ハードルが高いですよね。なので、効果的なフィードバックをユーザー同士で実現しようというのが「みんチャレ」のコンセプトになっています。ユーザー同士のフィードバックというのは、褒めあったり、励まし合ったり、共感しあったりということです。

5人チームの達成率が高かった

——なるほど。でも1対1がいいのなら、ペアでチャレンジしたほうがいいのでは?

長坂:最適な人数は、開発する前段階から実験して決めました。実際、2人のチームも試してみしたが、結果としては5人のチームが最も達成率が高かったんです。

——へぇー。他の人数だとどんなことが起こったんですか?

長坂:2人や3人のチームでは、誰かが投稿しても、それに対してリアクションが起こるまでに半日空いてしまうなど、なかなかタイミングよくフィードバッグがこないことがありました。

一方、7人以上になると、知らない人同士なので、ちゃんとやっているのが誰なのかわからなくなる。見ているだけの人が出てくると、「私も今日くらいやらなくていいか」とか、サボる人が増えてしまったんです。

——確かに、コミット感は薄まるかも。

長坂:5人と6人で僅差ではありましたが、達成率がよかったほうの5人を採用しました。東洋的な思想だと5という数字がマジックナンバーになっているのもいいな、と。日本人って5人組と馴染みがあるんですよ。江戸時代に法律を作った時も、5つの農家に守らせていたと言いますし。お互いに目が届きやすい範囲が「5組」なのかなと思います。

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いいフィードバッグを得るには本音が必要

——江戸から……。ところで、「みんチャレ」は匿名での参加になりますよね。それにも理由が?

長坂:匿名でやろうと思ったのは、本当のことを言わないと他人からもいいフィードバックが得られないためです。本当に信頼ができる仲間とか先生がコーチだったら実名でいいと思うのですが、知らない人と組んだり、ちょっとした関係性の中と行うのなら、むしろ完全に現実世界と切り離して匿名でやるほうがいい。

例えば、体重を記録するチャレンジに参加したとします。毎日知り合いに体重を公開するのは抵抗があるかもしれませんが、全く知らない人ならば、体重が何キロだろうとありのままをシェアできるはず。実際、知り合い同士でできる機能もあるのですが、達成率が高いのは匿名でしたね。

——達成率といえば、媒体資料*では習慣化成功率69%という数字が紹介されていますが、これはどういう意味ですか? 1人の場合だと、8%と言われる中で、8倍以上の成功率アップの効果があるとか。

*

長坂:習慣化成功率は、21日間チャレンジが続いた人の数字になります。1回でも参加してチャレンジ写真を送った方が21日間後もそのチームに残っていて、写真を送っていたかを見ています。

——21日というのは?

長坂:習慣化の理論で、21日間続けられるとその後、約7割が習慣になるというものがありまして。そこから、21日を採用しています。ただしこれにはいろんな実験結果があって、必ずしも21日間続けたからといって続くという訳ではありません。

例えば朝コップ1杯の水を飲む、といったワンアクションで済むような、単純な習慣であれば21日間で7割ぐらい続いていくようなのですが。習慣にもいろいろあって、勉強や工程が複雑なものになると、半年とか、3年という説もあります。いろんな研究結果があるのですが、プロセスが複雑になればなるほど、習慣化するまでの期間もどうやら長いらしいということが言われています。

結局、習慣化のためのポイントは?

——ではもし習慣化したいと思った時、どんなところに気をつけたらいいでしょうか? 21日のような、具体的なポイントがあれば教えてください。

長坂:どれだけ単純化できるかがひとつのポイントになると思います。例えば、勉強しようと思った時、「いつしてもいい」では結局続きません。まず、朝8時に勉強すると「時間」を決めてしまう。その次に、朝8時に机につくという習慣をまず身につける。

机についたらお茶を飲んでもいいし、日記を書いてもいいし、もちろん勉強してもいい。朝8時に机に向かうという習慣を身につければあとはそこで何を選択するかというだけの話になります。ステップを踏むと習慣は身につきやすいです。

——最初から完璧に計画を遂行しようとしないことですね。

長坂:そうですね。あとは時間を一定にするというのが結構大事で。「みんチャレ」の中のチームでも、報告する時間帯が同じチームの方が長く続いているという結果が出ています。

――へぇ。

長坂:例えば、ウォーキングで歩数を報告し合うチームでも、毎日11時から12時の間に報告しましょうと決めているチームの方が続いています。あとは、早起きのチャレンジをやりながら勉強のチャレンジをする人も多いです。早起きの習慣を身につけて、空いた時間で勉強をするというように、複数のチャレンジを組み合わせているんです。


——組み合わせると、ひとつひとつは単純になりますね。「朝6時に起きて、30分勉強をするチャレンジ」よりは、「朝6時に起きるチャレンジ」と「30分勉強するチャレンジ」に参加したほうが。

長坂:そうですね。別々の習慣に分けられるので、いっぺんに挫折することが少なくなります。

——そうか、私は初めからあれこれ完璧にやろうとして、習慣を複雑にしていたのかも。習慣を分けるというのは、目からウロコでした。

次回は8月11日公開予定
(取材・文:Duniakita編集部 安次富陽子、写真:青木勇太)

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