三日坊主防止アプリ「みんチャレ」・長坂剛さんインタビュー 第1回

続けられないのは、私がズボラなせい? 習慣化について考えてみた

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続けられないのは、私がズボラなせい? 習慣化について考えてみた

ダイエットや、早寝早起き、将来のための勉強。いろいろ試してみるものの、仕事が忙しくてなかなか続けられないという人も多いのではないでしょうか。

新しいチャレンジは良いことのはずなのに、「今回もやり切れなかったなぁ」と挫折感ばかり残ってしまう。それどころか、私って三日坊主だからなぁ……と、やる前からため息をついてしまうかもしれません。

そんな忙しいビジネスパーソンに、注目されているのが三日坊主防止アプリの「みんチャレ」です。実際、三日坊主に悩むDuniakita編集部の安次富が、習慣化のコツについて開発者でエーテンラボ代表取締役CEOの長坂剛(ながさか・ごう)さんに話を聞きました。

第1回のテーマは「続けられないのは私のせい?」です。

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続かないのは意思が弱いからじゃない

——いきなり個人的な話で恐縮ですが、最近、ダイエットに挫折しまして……。起きたら体重計に乗って、ストレッチして、食事制限をして、夜は筋トレをして……と、計画している時はやる気しかなかったんですけど、忙しいことを理由に、気づいたら「よし、明日やろう」って。その明日が今日まできていない。私って意思が弱いのかなぁと、反省中です。

長坂剛さん(以下、長坂):続けられなかったことをネガティブに捉えているのですね。でも、大丈夫ですよ。意志が習慣化に与える影響はほとんどないと最近の調査で分かっていますから。

——え? 意思は関係ないんですか?

長坂:はい。人の意思で習慣を変えるというのはほぼ不可能なことなんですよ。そもそも、生活習慣の改善は難しいことだと知っていてほしい。例えば、糖尿病になってしまった方でさえ、約半数の方が半年間で治療を中断しているくらいですから。

——半分……。

長坂:「続ける」って、誰にとっても結構大きな課題なんです。その中で、意思は瞬間の決断に使うのですが、毎回繰り返すと、「決断力」が消費されてしまう。つまり意思だけで行動を変えようとすると、疲れるんです。そこを習慣に変えると、決断に使うエネルギーが不要になります。習慣化ってある意味、エコなんですよ。

——なんと。私がズボラなせいじゃなかったのか。

長坂:そうです。さらに言えば、意思よりも習慣化には環境が大切です。最近、ダイエットに関する研究で面白い結果が出ていまして。

——面白い結果?

長坂:親や兄弟が太っていると自分も太るリスクが高くなるんですけれど、実は友達が太っていても太る確率が高くなるそうです。さらに興味深いのが、会ったことのない友達の友達が太っていても、太るリスクが高くなるとか。

——(まじか……)

長坂:人は自分の意思より環境に左右されている。つまり、どんなところで生きているか、どんな生活習慣の中で生きているか、どんな人たちと交流があるかが影響しているんです。そう考えると、自分ひとりだけで頑張るぞと思ってもなかなか難しいことがわかりますよね。

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ゲームをやめた瞬間に途切れてしまう幸せ

——その環境作りを、スマホアプリの「みんチャレ」がサポートしてくれる、と。そもそも、どのようなアプリなんですか?

長坂:新しい習慣を身に付けたい人が5人でチームを組み、チャットで励まし合いながら習慣化を目指す、三日坊主防止のためのアプリです。

——開発のきっかけは?

長坂:みんなを幸せにしたいという思いからスタートしました。私はもともとソニー・コンピュータエンタテインメント(編集部註:現在はソニー・インタラクティブエンタテインメント)という、「PlayStation」の会社に務めていたのですが、そこで社内の新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」にエントリーして、社内起業という形で開発と改善を行いました。

——プレイステーション! 学生時代、遊んでいました。ゲームの時間は1時間って決められていたんですけど、ついついハマって超過してよく親に怒られてました(苦笑)。

長坂:ゲームをしている時、人は幸せを感じたりするんですけれど、ゲームをやめた瞬間に、その幸せはゲームと一緒に終わってしまうんですよね。それではもったいない。もっと人生を幸せにすることをしたいなと思ったのが、自分でプロジェクトを立ち上げるきっかけになりました。

——ゲームをやめた瞬間の何か終わっちゃう感じ、よくわかります。

長坂:幸せって何だろうと、突き詰めていく中で、ヒントになったのが、人は自分から積極的に行動を起こした時に幸せを感じるということ。ならば、人が自分から積極的に行動を起こすようなお手伝いをしたいなと思ったことが、「みんチャレ」のスタートでした。

「図書館の自習室」で閃いたもの

——「みんチャレ」で習慣化が可能になる仕組みは、どのように作られたのでしょうか?

長坂:仕組みは自分の原体験が影響している部分があります。高校受験の時、勉強しなきゃなと思うようになったのですが、家でしようと思っても全然できなくて。すぐにマンガを読んでしまうという典型的な中学生だったんです。でも、そろそろヤバいぞとなって、とりあえず図書館の自習室に行ったんです。そうしたら集中して勉強できた。

——みんなが本を読んだり自習をしたりしている、という環境がよかったんでしょうか。

長坂:そうだと思います。自分という人間がすごく変わった訳ではなくて、ちょっとその場所に行っただけ。環境を変えただけで自分がちゃんと勉強するという習慣を身につけられたという経験から、「みんチャレ」の着想を得ました。

——といっても、そんなに簡単に環境は変えられませんよね。

長坂:そうですね。図書館に行くのはわかりやすいけれど……。例えば、ダイエットしようと思っても、家族はダイエットに関心がなくて好きなだけ食べている中で、自分だけ我慢するのは結構ツラい。でも、「みんチャレ」で同じような挑戦をしている女性同士でチームを組めば、環境を分かち合うことができます。アプリの中で理想の環境を作ることで、習慣化を実現していくんです。

——環境を変えるというのは、バーチャルな空間でもいいんですか?

長坂:はい。可能です。

——それは希望が持てますね! 次回はもっと具体的に習慣化を身につけるためのポイントについて教えてください。

次回は8月10日公開予定
(取材・文:Duniakita編集部 安次富陽子、写真:青木勇太)

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