夏のパンプスに注意! 女性の水虫の原因とセルフケア法【臨床内科専門医が教える】

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夏のパンプスに注意! 女性の水虫の原因とセルフケア法【臨床内科専門医が教える】

足の指の間がかゆい! 気づいたら皮がふやけていて、えっ、これが水虫!? と驚いた経験はありませんか。

臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長は「そのかゆみやただれが水虫だと知らずに、皮膚の乾燥やちょっとした傷だと思っておられる女性の患者さんは多いんです。水虫は完治まで時間がかかること、人にうつるため、早めの治療が必要です」と話します。詳しいお話を聞いてみました。

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水虫は感染症で、夏のパンプスの中を好む

——水虫は一般に、男性がかかりやすいものだと思っていましたが、女性にも多いのでしょうか。

正木医師:男性の方が革靴を長時間履いている時間が長い、汗をかきやすい、また、女性は水虫にかかっても恥ずかしくて人に伝えないなどで男性の方が多いという印象があると思います。現実には、性差による違いはなく、そうした環境による違いであり、女性のおよそ3人に1人が水虫で悩んでいるという報告があります。

——女性が水虫になりやすい環境要因を教えてください。

正木医師:大きく分けて、2つあります。1つは、暑くて汗をかく時期に、ストッキングでパンプスを履くことや、寒い時期にはブーツを長時間履いて、靴の中で足が蒸れることです。患者さんの数が多いのは、5月の連休から9月の連休ごろまでの夏の盛りの期間です。

2つめは、あとで説明する通り、水虫は感染症ですから、家族や友人、また、温泉やスポーツジム、プールのバスルームなどでうつるということです。

——自分の足の蒸れと、どこかで感染してくることが原因ということですが、水虫とはどういった経緯で発症するのでしょうか。

正木医師:水虫とは、白癬菌(はくせんきん)というカビが、皮膚に繁殖して起こる感染症であり、皮膚の病気です。医学的には、「白癬」と言います。白癬菌は高温多湿な環境を好み、9割近くが足の皮膚の角質層に寄生します。

足の裏には、体の中でもっとも多くの汗腺が集まっています。靴を脱いだときに、靴下の先が湿っていたという経験は誰しもあるでしょう。水虫はとくに汗がたまりやすい足の指の間などに寄生します。

しかし、発症した当初、白癬菌は皮膚の角層の下のほうまで増殖しないとかゆみなどが出ないために、自分でも気づきにくく、いつの間にか繁殖して症状が強くなっているのです。

もっとも多いのは、足の指の間に発症するタイプ

——水虫の症状を教えてください。

正木医師:水虫には、次の4つのタイプがあり、それぞれ症状が異なります。

(1)趾間(しかん)型水虫
患者さんの数がもっとも多い、足の指の間に発症するタイプです。赤くなって皮がむけて、次にふやけて白くなり、ムズムズとかゆみが出てきます。白いふやけた皮がはがれると、液がジュクジュクと出てきます。とくになか指とくすり指の間に注意しましょう。

(2)小水疱(しょうすいほう)型水虫
足の土ふまずやふちに2~3ミリの小さな水疱ができて、やがて赤くなり、皮膚がむけてかゆみが強くなります。ときに大きな膿疱(のうほう)になることもあります。

(3)角質増殖型水虫
足の裏やかかとの角質が厚く硬くなり、皮膚がむけてガサガサになる、ひび割れたようになるタイプです。かゆみがないので、乾燥やあかぎれと間違うことが多くあります。

(4)爪(つめ)の水虫
爪全体が白く濁って厚くなり、白い筋が現れ、黄白色や茶褐色になる、ぼろぼろと崩れることがあります。痛みやかゆみがないため、気づきにくいタイプです。

塗り薬は市販薬もあり。内服薬は処方のみ

——水虫の治療法を教えてください。

正木医師:塗り薬と、内服薬で治療をします。

塗り薬では、真菌(カビ)が増殖できないようにして殺菌する、抗真菌薬を使用します。市販薬にも多くの種類があります。

内服薬は市販されておらず、医師の処方でのみ用いることができます。主に角質増殖型や爪白癬に処方します。また、塗り薬を5~7日ほど使用しても効果が見られない場合などにも処方します。

市販薬を10日~2週間使用を継続しても改善しない場合や、女性はとくに水虫かどうかわからない人が多いので、できるだけ当初は皮膚科か内科を受診しましょう。

また、水虫は再発しやすい病気なので、医療機関での治療による完治後に、予防のために市販薬を利用するとよいでしょう。

面倒がらずに、起床時や帰宅時に足を洗って清潔に

——自分でできる予防法を教えてください。

正木医師:水虫に一度かかると再発すると想定しておき、何よりも足を清潔に保つようにしましょう。白癬菌は、足についても角質に入り込むまでに24時間程度かかるため、24時間以内に足を洗えば感染を防ぐことができると言えます。

ただし、足の皮膚に傷などがある場合は、12時間で感染するというデータがあります。ですから、1日に2回以上は足を清潔にするケアを実践しましょう。

まずは、バスタイムだけではなく、起床後の洗顔時や、帰宅時には面倒と思わずに足を洗って指の間までよく乾かしてください。

次に、できるだけ足が蒸れないように、オフィスやデスクワーク中にはスリッパに履きかえる、運動後はすぐに靴下を脱いで足を洗う、また靴下やストッキングは午後には履きかえる、また、靴下の素材はナイロン製ではなく、吸水性の高い木綿や麻を選んでください。

さらに、靴は毎日同じものを履くのではなく、1日履いたら靴用の除菌スプレーをして日光で乾かし、2・3日は履かずにおいて、数足を履きまわしましょう。

温泉などの共用バスマットやスリッパは使わない

——水虫は感染しやすい病気ということですが、うつらないために、日常で気をつけることはありますか。

正木医師:たくさんあります。まず、温泉やスーパー銭湯、サウナ、スポーツジム、ゴルフ場、プールなどの風呂や脱衣所にある共有のバスマットや足ふきマットは利用しないようにして、持参のタオルを使いましょう。

また、レストランや居酒屋などで靴を脱いで入る座敷や堀床式のフロア、店のトイレやホテルにあるスリッパなどは多くの人が素足で利用しているため、感染の可能性が高いです。共有のスリッパは素足では履かない、出張や旅先にはマイスリッパや使い捨てスリッパを持参しましょう。

さらに、自分が水虫を発症した場合は、家族にうつす可能性が高いので、洗濯、バスマットは別にしてください。また、人の家に行く場合は素足では上がらない、水虫でない場合でも、靴を脱ぐ家や店に出向くときは洗濯したての靴下を履くなど、うつらない、うつさないための「水虫ケアエチケット」も心がけましょう。

——どの方法にも注意します。ありがとうございました。

靴下を履きかえる、朝や帰宅後すぐに足を洗うことは、すぐに実践できそうです。問題は、面倒でこれらを行っていなかったということかもしれません。これからはまめに実行をして足の快適さを追求し、人にうつさないことも気にかけたいものです。

(取材・文 藤原 椋/ユンブル)

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