水道水で目を洗うのは間違い! 眼科専門医が教えるケア法とは?

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水道水で目を洗うのは間違い! 眼科専門医が教えるケア法とは?

コンタクトレンズ(以下、レンズ)をはずしたあとや、目が疲れる、ごろごろする、朝起きたとき、眠いとき、プールや海からあがったときなどにも水道水で目を洗うことはありませんか。

眼科専門医でみさき眼科クリニック(東京都渋谷区)の石岡みさき院長は、「水道水のみならず、入浴中にシャワーで目を洗うという人は多いのですが、それは間違いです」と指摘をします。詳しいお話を聞いてみました。

眼科専門医の石岡みさき先生

眼科専門医の石岡みさき先生

目を洗うと角膜を傷つける

学生のころ、プールからあがると水道水で目を洗うように指導をされていました。そのなごりでいまも目を洗う習慣があるのですが、はじめに石岡医師は、「いまでは、水道水で目をじゃぶじゃぶと洗うと悪影響があることがわかっています。プール後の洗眼は、目に水が入った際に軽くすすぐ程度にとどめましょう。日常的に目を水道水で洗う必要はありません」と話し、その理由についてこう説明をします。

「水道水には、塩素が含まれています。感染症を引き起こすウイルスや細菌、病原微生物を消毒するためですが、その塩素が、目の表面を傷つける可能性があることがわかっているからです」

目の表面とは、どういうものでしょうか。

「目の表面は、涙で覆われています。角膜と結膜の上には、ムチンという粘り気がある糖分とタンパク質の混合物質が広がり、目の潤いを保って細菌などの侵入を防いで眼球を保護しています。その上には涙液の層があり、これにもムチンが溶け込んでいて、さらにその上には油の層があります。

水道水で目を洗うと、塩素がこのムチンを洗い流すため、角膜を傷つけるおそれがあるのです」と石岡医師。

目には自浄能力が備わっている

では、目の汚れはどうすればいいのでしょうか。レンズをはずしたときに汚れが付着していることも気になりますが、石岡医師はこう話します。

「目には自浄能力が備わっていて、目に何かが入ると涙が出るのはそのための反応です。涙がホコリや花粉、微細な侵入物を流しているのです。ですから、ゴミが入るなどしない限り、洗う必要はないわけです。

はずしたレンズが汚れているように見えるのは、ムチンや、はがれた上皮(じょうひ)細胞が付着しているからです。汚れではありません。それを目の汚れだと勘違いをして、レンズをはずしてから目を水道水や市販の洗浄液で洗う人は多いのですが、お話ししたように、目を保護する物質を洗い流すので危険です」

何か目にとって良くない症状が現れるのでしょうか。

「角膜や結膜に傷ができ、充血する、目がごろごろする、まぶしいなどの不調が出る可能性があります。

とくに、アレルギーやアトピーの症状がある人は、塩素で傷がつきやすい傾向にあるので、充血しやすくなります」と石岡医師は指摘します。

さらに、水泳時の注意について、「海やプールで泳ぐときには、必ずゴーグルを使用して目に水が入らないようにしましょう。水が入った場合、防腐剤が含まれていない『人工涙液』の点眼薬で洗うのがもっとも良い方法です。花粉が目に入ったときも同様です。『人工涙液』は薬局やドラッグストアで市販されています」と石岡医師。

緊急時は別。すぐに水で洗い流す

しかし、「水道水で洗い流さなければいけない緊急の場合もある」と話す石岡医師は、その場合について具体的に説明をします。

「目にゴミやまつげ、洗顔石けん、シャンプーなどが入ると、とても痛いでしょう。この場合は、水道水でムチンを洗い流すことよりもさらに、目を傷つける危険性が高くなります。

ベストの方法はこの場合も、『人工涙液』の点眼薬を使用することですが、緊急時はその余裕がないので、水道水で洗い流してください。ただし、上まぶたの裏にゴミが入ると自分で洗っても取れないので、眼科を受診してください。

とくに、薬品類や毛染め液、除光液などが目に入ったときは、痛みや異常を感じていなくても、眼球が傷ついている場合があります。可能なら、流水で10分以上洗ってください。シャワーがあれば洗いやすいのですが、無理なら容器に入れた水でも大丈夫です。そのうえで、できるだけ早く、目に入った液体の成分が分かる容器を持参して眼科を受診しましょう。

また、眼球の表面はやわらかく傷つきやすいので、強い水流で洗う、ごしごしと目をこすって洗うなど刺激が強い方法はやめましょう」

目の不快感は、水で洗うとすっきりすると思っていましたが、実は気づかないうちに目を傷つけているとのことです。そのため、起床時やレンズをはずしたときなどの日常で、またプールや海からあがったときに水道水で目を洗うのは間違いであることがわかりました。ゴミや薬品が入って洗う必要がある場合は、できるだけ「人工涙液」の使用を実践したいものです。

(取材・文 藤原 椋/ユンブル)

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