フローレンス・今井峻介さんインタビュー 前編

ワンオペ育児に陥らないための心の準備 男性の育休経験者に聞いてみた

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ワンオペ育児に陥らないための心の準備 男性の育休経験者に聞いてみた

育児休暇(育休)は女性だけでなく、男性でも取れるものだけど、女性だけが取得する家族がまだまだ多いもの。

そんな状況において、認定NPO法人フローレンスの代表室に勤める今井峻介(いまい・しゅんすけ)さんは、現在3歳になる第一子と、現在4か月の第2子の両方で育休を取得しました。

「でも僕、全然イクメンじゃないと思います」と話す今井さん。それって謙遜じゃないの? 2度の育休取得を決めた理由について話を聞きました。

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「イクメン=育児が好き」なのか

——読者の中には「産み時に迷う」という声も多く、その理由のひとつに「産んだら女性の負担が大きくなりそう」というものがあります。今井さんのように協力的なパートナーになってもらうにはどうしたらいいでしょうか。

今井峻介さん(以下、今井):あの……、ちなみに僕、全然イクメンとかじゃないですよ。

——またまたご謙遜を。世の中的に見るとイクメンですよ。

今井:ちなみにイクメンってどんなイメージですか?

——子どもが好きで、育児を積極的にこなすようなパートナー、ですかね。

今井:「子どもが好き」と「育児を積極的にこなす」は同列なのかな……、僕としては「子どもはかわいいけど、育児はそんなに楽しくない」というのが本音です。「ケーキは好き」だけど「ケーキを作るのは好きじゃない」という感じでしょうか。

毎日すごく汚いオムツを替えたり、ケンカしたり、なだめたり、寝てほしいときに寝てくれなかったり、その逆もあったり……。気持ちも時間も割くので、育児を楽しいとは素直に言えないかなあと。

でも、それらは親がやるべきことなので、そういうものとして受け入れて粛々とやるしかない、ということだとは思っています。なので、育児に対しては、好き嫌いよりは責任感とか義務感のようなものの方が大きいかな。

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育休を取ったくらいで会社の評価は変わらない

——育児は日常ですもんね……。ところで今井さんが育休を取ろうと思ったきっかけは何だったんですか?

今井:1人目のときは、僕は30歳でコンサルティング企業に勤めていました。共働きで妻も育休を取っていたので、それなら自分も取らないと不公平だよなと思って育児休暇を取得しました。あとは、単に休みが好きなので、大義名分があるなら休むしかないな、と。

当時はいわゆる「がむしゃらに働く」職場だったので、育休を取りたいと言うと、若干変な空気になりましたが、そこは空気を読まずに押し切りました。

——いづらくなるとか、キャリアのブランクになるとは考えませんでしたか?

今井:うーん、あまり考えていませんでした。そうなったらそうなったで仕方ないですし、成り行きに任せようかと。あとは、もしそういうことが起きたとしたら、自分はその程度の評価なんだろうなとも思っていました。1か月いないだけで評価が大きく下がるようなら、そもそも休む前から大したことなかった、ということだろうなと。

——そのとき、育休を取ってみてどうでしたか?

今井:素直に良かったと思います。育児の初心者2人で、オムツってどうやって替えるんだろうとか、どうやって服を着せた方が早いかなとか、ああでもないこうでもないと話をして。

そういった小さい話を重ねることで、育児に対するお互いの考え方みたいなものを共有できたような気がします。家族のメンバーが1人増えるって思ったよりずっと影響が大きくて、生活も考え方も変える時間が必要だと感じましたね。

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家族の基礎づくりとしての育休

——どんな影響を感じましたか?

今井:一言で言うと、対応しなければいけない問題が増えるってことです。定時に家に帰らないといけない、でも仕事で一定の成果も出さないといけないので、仕事のスタイルを根本的に見直さないといけない。

生活に育児が入り込んで来るので、家事を効率化しないといけないし、自分のために使える時間が減るということも受け入れなきゃいけない。もろもろ費用もかかるので、それもやりくりしなくちゃいけない。

夫婦でゆっくり話す時間を作るのが難しくなるし、子どもの成長や教育など新しく考えなければいけないことも増える。

夫婦2人の気ままな生活とは全然別物で、慣れるまではストレスもかなりあったと思います。子どもが増えて、楽しく暮らしにくくなったなと。ということがあったので、2人目のときは育休に対する認識もちょっと変わって。

——どのように変わったんですか?

今井:育児に専念する期間というよりは、家族のメンバーが増えるという変化に家族で適応するための期間、もろもろの問題を解決するために試行錯誤する期間だと思うようになりました。

育児にコミットする時間を作って、そこで、夫婦でいろんなことを話しながら、子育てや生活の仕方について認識と気持ちを調整して、今後の家族の運営方法や方向性の認識を合わせていくようなことが必要だなと。

2人目のときに実際に育休をとってみて、そういう家族の生活のかたちのようなものについてゆっくり考えられたのは良かったと思っています。

——基礎が作られるわけですね。

今井:そんな感じです。育休を取って2か月くらい暮らしていると、生活のリズムもできてきて、4人家族になるとこんな感じなのかとか、1人で2人の子ども見るのは超大変だなとか、こんなに時間がないんだ、というようなことがわかってきて。

それを踏まえて、仕事を持ち帰るのは無理だから業務時間内で終えられるように仕事のやり方を見直そうとか、自分の時間も欲しいから早起きしようとか、アイデアをだして、それをやってみて、生活をちょっとずつ見直したりしてました。

問題に対応していくことでストレスは減りましたし、自分がこれからやるべきことを考える時間ができて良かったと思っています。

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後編では、男性も育児が大事なことがわかっているのに、なぜ育児の優先順位が上がらないのかについて話を聞きます。

後編は2月18日(日)公開予定です。

(取材・文:Duniakita編集部 安次富陽子、写真:青木勇太)

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