通訳者に聞く仕事術・第2回

仕事は苦手なことから手をつけたほうがいい理由【タスク管理術】

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仕事は苦手なことから手をつけたほうがいい理由【タスク管理術】

「同時通訳者」と言うとどんな仕事を思い浮かべるでしょうか? 真っ先に海外ニュースの通訳や、取材やインタビューでの通訳が頭に浮かびますが、そのほかにも国際会議の同時通訳や企業の株主総会、記者会見、翻訳や執筆など「通訳」が発生するありとあらゆる場所に仕事が発生するそう。

毎日が「本番」でありとあらゆる現場をこなす同時通訳者の仕事にはきっと私たちの仕事にも役立つヒントもあるにちがいない……というわけで、インプット術やタスクの整理方法、時間の使い方などの仕事術を聞きます。

お話を聞くのは、通訳・翻訳サービスを提供する「テンナイン・コミュニケーション」所属の通訳者で、現在は「CNNj」「CBSイブニングニュース」などで放送通訳者として活躍中の柴原早苗(しばはら・さなえ)さんです。第2回目のテーマは「タスク管理術」です。

【1回目は…】「資料をじっくり読まない」インプット術

タスクは苦手なことから手をつけよう

——前回はインプット術について聞きました。今回はタスク管理について伺おうと思うのですが、柴原さんはやることが膨大にある場合、どうタスクをこなしているのでしょうか?

柴原早苗(以下、柴原):そうですね、まずは手帳にやることを書き出して、時間を決めます。例えば「今日はこの時間にこのブロックが空いてるから、この間に何々の勉強をしよう」とう具合です。

ポイントは、その日のうちにやらなくてはいけないことをどんどん書き出して、優先順位をつける。優先順位とともに、なるべく苦手なものから先にやることです。

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——苦手なことからやるのはなぜですか?

柴原:苦手なことを早くやると満足度が高いんです。得意なことからやっていくと効率は良いのですが、頭のどこかで「これが終わってしまうと、嫌な課題が待っている」って思ってしまうので(笑)。

——あー、それ気持ちすごくわかります!

柴原:むしろ、嫌なこと、大変なことを先にやって、「これさえ終われば楽な仕事がご褒美として待っている!」と思うようにしています。

——それ、受験の時にも先生に言われて確かにそうだった気がします。

柴原:確かに、エンジンが早くかかってピッチが乗るという意味では、得意なことからやってエンジンをかけたほうが良いというのもありますよね……。私も、いつもいつも苦手なものからやるというわけではなく、誘惑に負けてダラダラとやり、苦手なものが残ってしまうということも本当にしょっちゅうありますね。

——柴原さんもそういうことあるんですね。

タスクは細分化できないレベルまでに落とし込む

——「苦手なタスクからやる」以外に工夫されていることはありますか?

柴原:もう細かいことまで全部書きますね。やらなくてはいけないことを全部。

——全部?

柴原:はい。全部です。「もうこれ以上細分化できない!」というところまでタスクにまで落とし込みますね。

例えば、仕事であれば、資料を読むというときに、読むだけではなくて「プリントアウトする」「プリントアウト後、いつ読むか」というのもすべて決めます。

全部リストアップして、チェックボックスつけてやっていきますね。印刷するのに、何日何時に印刷すると書くこともありますね。

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——私も普段の仕事をしていく上で、「やることリスト」は作っていたんですが、「プリントアウトする」までは書かなかったです。「当たり前」のことだと思ってて。

でもそういう細かいタスクに限って忘れてしまい「あ、やってなかった!」「オフィスを出てしまったからもう印刷できない……」ということはよくあります。

柴原:わかります。ですのでタスクを手帳に書ききれないときは、メモ用紙にまず書きますね。

例えば、他の仕事をしていて「あれの資料のあれを印刷しなければ」と思ったときに、確かにパソコンを開いていますので、やろうと思えばできるんですが、そうすると今度はそちらにそれていくので、急務のことでなければ「いついつの何時に印刷する」と横にあるメモに書いて置いておきます。メモ用紙は常に机の上に置いておいて、手帳も常に開いた状態で仕事をしていますね。

——確かにある仕事をしていても「あ、あれやっていなかった」って思って、別のことをやってしまうというのは「あるある」ですよね。

次回
は「失敗を引きずらないコツ」について聞きます。

(取材・文:Duniakita編集部・堀池沙知子、写真:宇高尚弘/HEADS)

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