日本一ちっちゃな働きかた改革 第19回 正能茉優さんインタビュー(第2回)

「がんばるって、社会悪」 社畜OLとハピキラ社員が“努力”について考える

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「がんばるって、社会悪」 社畜OLとハピキラ社員が“努力”について考える

「日本一ちっちゃな働きかた改革」
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「フリー編集長」と「社畜プロデューサー」というまったく異なる立場から、Duniakita編集部というチームを運営している鈴木円香(33歳)と海野優子(32歳)。

脱サラした自営業者とマジメ一筋の会社員が、「心から納得できる働きかた」を見つけるため時にはケンカも辞さず、真剣に繰り広げる日本一ちっちゃな働きかた改革が現在進行中です。

海野P(左)と鈴木編集長(右)

海野P(左)と鈴木編集長(右)

「新しい働きかた」って最近よく言うけど、私の毎日は何も変わらないぞ! 「週3勤務」とか「副業OK」とか、どこの国の話……? そんなふうに感じている人もきっと少なくないでしょう。

今回は、「ローコストでハイパーハッピー」をコンセプトに「自由な働きかた」の極致を体現するハピキラFACTORY代表で、SONY社員でもある正能茉優(しょうのう・まゆ)さんが、「Duniakita働きかた改革・有識者会議」のゲスト。

会社にリモートワークの仕組みがあっても週5で毎日出勤、つい深夜まで働いてしまうゴリゴリ社畜体質の海野Pが挑みます。ハピキラ社員と社畜OL、一見水と油にしか見えないふたりは、わかりあうことができるのか?

【第1回はこちら】社畜OLがついに見つけた「心から嫉妬できるワークスタイル」

正能さん(中央)にふたりで聞きに行きました

正能さん(中央)にふたりで聞きに行きました

「がんばる」って社会悪だから

鈴木:上の世代の女性を観察しながら、生きかたを戦略的に考えてきた現在26歳の正能さん。その発想の根底には「得意なことに時間を使うことで、自分の1時間あたりの価値を最大化したい」という気持ちがあることが見えてきました。ココは、泣きながらがんばることにある種の快感を覚えてしまう海野さんの反応を聞いてみたいですね。

どうですか、海野P?

海野P:いいなあ、そう言い切れちゃうとこ。「しんどいことはやりたくない」と言えちゃうところ。「しんどいことはやりたくない」って、そりゃ、みんな思ってるんだけど、それを声に出して言うより、がんばるほうがラクなんですよねえ……。

鈴木:もうなんか全面降伏ですね(笑)。

正能:でも、ただがんばるって社会悪だから。

海野P:(グサッ……)

鈴木:(たった今、海野Pのハートが斬って捨てられました)

正能:「がんばることが社会悪」とは、正確には、苦手なことをがんばるのは短期的にはコストだということ。例えば、私は英語が一切しゃべれないんです。でも、ソニーという会社では、日本以外の会社とのやりとりも多い。「じゃあ、拙い英語で無理やりコミュニケーションをとるべきか?」っていうと、短期的にみると、それはおそらくNO。私の時給を考えると、英語の苦手な私が、英語で無理やりやりとりをするのは、コストでしかない。だったら、そこは得意な人にお願いして、自分は別の得意なことに取り組んだほうがいいと判断します。

鈴木:つまり正能さんにとって「がんばらなきゃいけないこと=自分に適性のないこと」なんですね。がんばらずにできることをやったほうが、社会のためにも、会社のためにもなる、と。

正能:そう、まさに。

photo2-3

「がんばるプレイ」があってもいい

鈴木:「がんばらなきゃできないことをやるのはムダ」というのは、正論だと思うんですが、でも、実際にそれを口にしちゃうと、結構反感を買いませんか?

正能:私の場合、「結果が出なくてもがんばったことでよしとする」のがあまり好きじゃないんです。ある時、上司から「もっと一生懸命働け」って言われたことあって。で、「一生懸命働いてるんですけど、それを見せるのってダサいと思うんですよね」って返したら、「意味わかんない」って怒られました。

鈴木:でしょうね(笑)。

正能:その時初めて「がんばりすぎることがダサい」という感覚が、上の世代にはないんだなあ、って気づいて。私たちはよく「ゆとり世代」と呼ばれますけど、本当にゆとってるわけじゃなくて、「ゆとりがある風」に見せるのが好きなだけなんです。実際は水面下で足バタバタさせてる白鳥。でも、それは絶対に見せたくない。

海野P:(むむむ……)「がんばりすぎるのがダサい」って仕事が本当にデキる人しか言っちゃいけない台詞ですよね。私自身はそんなにポテンシャルが高いほうじゃないから努力で補うしかない、と。私みたいにがんばる必要がある人も社会にはいるんじゃないかなって。

鈴木:(なんとせつない質問……)

正能:がんばりたいなら、がんばればいい。だって、「がんばる」って一つのコンテンツだから、プレイだから。がんばりたい時にがんばるのは楽しいもん。ハッピーならいいと思う! だって、海野さんが楽しくがんばってるのと、私が家で楽しくネットフリックス見てるのは、ハッピー度一緒だもん。

海野P:ですよね(そ、そ、そ、そうなのか?)。

鈴木:なるほど、海野Pはがんばるプレイ中なのね! ちなみに「がんばること」と「結果を出すこと」は関係あると思いますか?

正能:うーん、結果を出すために戦略的にがんばるなら関係あると思います。でも、私の場合は、あまり結びついていないかな。私は、学生時代、ハンドボール部だったんですが、吐きながらがんばって練習してたのは、強豪校に勝つためじゃない。勝てないのは最初からわかってたけど、ただ友達とがんばりたかったから、がんばった。それが楽しかったんです。プレイというのは、そういうことです。

photo2-4

仕事をないがしろにしてるわけじゃない

正能:さっき「ただがんばることをよしとするのは、嫌い」って言いましたけど、私もこう見えて、人生にはいつも全力なんです。そういう意味ではがんばってるかな。仕事は何とも言えないな、だって人生の一部だから。人生をないがしろにして仕事をがんばるっていう感覚がないだけ。

海野P:そういうところも、心底嫉妬するんですよね。何よりも「自分」というか、「自分の人生」を大事にできちゃうところ。会社に対しても、仕事に対しても、「自分の人生」を明け渡さないところ

正能:私たちは、「バランスよくこなすこと=自分の幸せ」と感じる世代だから。仕事をないがしろにしてるわけじゃなくて、その時々でバランスをとってトータルで常に120点になるようにしてる。つまり仕事よりプライベートが大事なタイミングでは仕事をセーブするし、逆の時は仕事がんばるし。

鈴木:うん、それは私も同じかな。仕事第一では全然ない。

正能:今はこのバランスがちょうどいい。平日は9時半から5時半までSONYで働いて、夜はハピキラで打ち合わせしたりイベントに出たりして、土日はハピキラやったり友達と遊んだり。これ以上彼氏といたらケンカするし、これ以上ネットフリックス見たら飽きちゃうし。睡眠も十分とれてるから、これで満足。だけど、たまに仕事とそれ以外のバランスがこれでいいの?って迷った時のために、私の中で基準があるんです。

海野P:どんな基準?

正能:私、家でやることがないとずっとネットフリックス見てるんです(笑)。その時に「見てやったぜ!」と思うか「見ちゃった……」って思うか。それが基準。「見てやったぜ!」って思える時が、ちょうどいいバランス

海野P:わかりやすい(笑)。

がんばる女、海野Pがバッサリと斬って捨てられた第2回でしたが、意外にもふたりのトークはなごやかな雰囲気で進行中。第3回は、みんなが目指す「ハッピーって何だ?」という問題について考えていきます。

(構成:Duniakita編集長・鈴木円香)

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日本一ちっちゃな働きかた改革

脱サラした自営業者のDuniakita編集長・鈴木円香と、社畜プロデューサー海野Pのふたりが、時にはケンカも辞さず本気で持続可能なワークスタイルを模索する連載です。

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