映画『望郷』主演・貫地谷しほりさんインタビュー

貫地谷しほりさん、「憧れ」と「焦り」の違いに気づく時

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貫地谷しほりさん、「憧れ」と「焦り」の違いに気づく時

「告白」、「リバース」など、数多くのヒット作を持つ作家・湊かなえさんの連作短編集「望郷」が映画化され、9月16日(土)から公開されます。

その中の一編、“夢の国”の主人公、夢都子は、家と島に縛られて、息が詰まりそうな暮らしをしている女性です。映画では島という特殊な環境が描かれていますが、誰だって、せまい世界に息苦しさを感じていても、そこから抜け出せないという経験があるのではないでしょうか。

主演の貫地谷しほりさんに、夢都子を演じた今思うことを聞きました。

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誰もが感じたことのある窮屈さ

——横暴な祖母に逆らえない両親。夢都子の閉塞感に、胸がぎゅっと苦しくなりました。

貫地谷しほりさん(以下、貫地谷):家に縛られるって重いことですよね。私は夢都子ほど窮屈な暮らしを経験したことはありませんが、思い込みで自分を縛っていたことはありました。そのきっかけは、とても小さなことだったのですが……。

——小さなこと?

貫地谷:はい。小学生の頃の話なんですけど、いつもと違う下校ルートで帰宅したら、迎えに来ていた母とすれ違ってしまったんです。帰宅したら母にすごい剣幕で怒られて。もちろん今ならそれが心配だとわかるのですが、当時は「ママは私がやることを認めてくれない」と思い込んですねてしまったんです。

そこから親に相談しても「いいよ」と言ってもらえないんじゃないかって、しばらく引きずってしまって。でも本当はそうではなくて、ちゃんと自分の意思を伝えればよかったはずなんですけど。

——一度失敗したら永遠に「ダメ」ということはないですよね。

貫地谷:はい。思い込みで動けなくなるのは、原作の湊先生も「日本は島国だから、海外に行きたいけど行けないとか、何か自分の枠を飛び出すことを恐れている人がたくさんいると思う」とおっしゃっていて。どこにいてもみんなそんな思いを抱えて生きているんじゃないかなと思いましたね。

「絶対したい」ことじゃなかったと気づいて

——映画の中では“ドリームランド”が自由の象徴として鍵になっていますよね。貫地谷さんの中で何か、まだ手にしていない憧れのものはありますか?

貫地谷:20代の頃は結婚への憧れが強くて、30歳までに結婚するって思っていました。でもまあ、計画通りにはいかないなってわかって、最近は気負う部分がなくなりました。

——それはどんな心境の変化が?

貫地谷:うーん。結婚したことがないからしてみたい、という気持ちに気づいたんですよね。「絶対したい」ではなく「興味があるから」だと思うと、肩の力が抜けたというか。

原作の中で、夢都子が、ドリームランドに憧れていたのではなく、狭い島から出てドリームランドに行った友人が目を輝かせながら語るものに焦がれていたのかもしれないと気づくシーンがあるんです。その気持ちに似ているのかもしれません。

——結婚することや、“ドリームランド”に行くことが全てではない、と。

貫地谷:はい。結婚するかもしれないし、しないかもしれない。子どもを産むかもしれないし、産まないかもしれない。今は自然体で考えたいと思っています。また焦る時が来たら……まあその時はその時で(笑)。

正解は「自分の外」にあると思ってた

——無理しないっていいですよね。でも窮屈さと対照的にはなりますが、アラサー女性の目の前には、選択肢が多すぎて動けないということもあるのかなと思います。

貫地谷:そうですね。でも“頑張り時”って誰にでも必ずあると思うんです。それは自分の意思で決められるかもしれないし、周りに巻き込まれる形になるのかもしれない。じたばたしても仕方ないので、どちらにしてもその時が来たらちゃんと自分の気持ちに従うことだと思います。

私、以前は、正解が自分の外にあると思っていたんです。でもある時に、全部自分の内側にあるのかもしれないと考えて。だから、結局は自分と深く向き合うことが、外と関わるかもしれない、新しい一歩を踏み出すきっかけになるのだと思います。

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(取材・文:Duniakita編集部 安次富陽子、写真:宇高尚弘/HEADS)

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