日本一ちっちゃな働きかた改革 第18回 正能茉優さんインタビュー(第1回)

社畜OLがついに見つけた「心から嫉妬できるワークスタイル」

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社畜OLがついに見つけた「心から嫉妬できるワークスタイル」

「日本一ちっちゃな働きかた改革」
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「フリー編集長」と「社畜プロデューサー」というまったく異なる立場から、Duniakita編集部というチームを運営している鈴木円香(33歳)と海野優子(32歳)。

脱サラした自営業者とマジメ一筋の会社員が、「心から納得できる働きかた」を見つけるため時にはケンカも辞さず、真剣に繰り広げる日本一ちっちゃな働きかた改革が現在進行中です。

海野P(左)と鈴木編集長(右)

海野P(左)と鈴木編集長(右)

パラレルキャリア、週末起業、プロボノ、リモートワーク……「自由な働きかた」っていうけど、そんなもん、どこにあるの? 少なくとも、私のまわりにはねーぞ! メディアで新しいワークスタイルが紹介されるたび、「どこか遠い話」に思えてしまう人も、少なくないはず。まあ、実際フツーの人にとっては「自由な働きかた」ってまだまだそんなに現実的な選択肢ではないですよね。

今回は、「ローコストでハイパーハッピー」をコンセプトに「自由な働きかた」の極致を体現するハピキラFACTORY代表取締役で、SONY社員でもある正能茉優(しょうのう・まゆ)さんがゲスト。

会社にリモートワークの仕組みがあっても週5で毎日出勤、つい深夜までオフィスで働いてしまうゴリゴリ社畜体質の海野Pが挑みます。ふたりの間に横たわる巨大な溝は埋まるのか?

正能さん(中央)を囲んでトーク開始

正能さん(中央)を囲んでトーク開始

素直に嫉妬できるワークスタイル

鈴木:正能さん、本日はありがとうございます。社畜Pとの対決、どうぞよろしくお願いいたします。実は、ここまで来る道すがら、海野Pが正能さんに心底嫉妬してたんですよ。「いいなあ、超羨ましいなあ」って。大学時代に起業したハピキラ FACTORYで地方の名産品をかわいくプロデュースしつつも、平日のデイタイムはSONYという超一流企業で働いている、そんな26歳のキラキラしたお姿に。

海野P:いや、ホントに。正能さんの働きかたって、羨ましすぎてもはや言い訳ができないなって。

正能:ん?

海野P:(ヤバい、通じてない……)つまり、正直ショックだったんですよ。こんなにいい働きかたがあったのか!?知らなかったよ!?って。私は今32歳ですけど、私たちの世代って、これまで心から羨ましいと思える働きかたを見てこなかったと思うんです。がんばってキャリアを手に入れた女性を見ても、結局何かを犠牲にしているように思えて、「すごい」と尊敬はするけど、憧れられない。

正能:なるほど。

海野P:(よかった、一応通じてるみたい)私より上の世代の働きかたのモデルを見せられても、「別になりたくないし」って、目指さない言い訳を自分の中で用意できたんです。まあ、そもそもなれるだけの能力がないだろう、という話もあるんですけど。でも、正能さんの働きかたを目にした時は、何も言い訳が浮かばなくて、ただただ羨ましくて。

正能:確かに、上の世代のロールモデルはすごすぎて、そこまではがんばれないという気持ち、わかります。だから、私の場合、そうじゃない働きかたをいろいろと模索してみているわけです。

海野P:やっぱ「無理!」って思いますよね。

鈴木:(意外に早くふたりの会話が噛み合ってきた!)

photo1-3

世代ごとに生存戦略を分析してみると…

海野P:正能さんは26歳になられたばかりですが、その世代は働きかたに関してどんな戦略をとってるんですか?

正能:うーん、働きかたっていうか、生きかたかな。今の40代と30代の女性の先輩を見ながら学習して、一応「いいとこ取り」の戦略をとろうとしてます。またの名を「中途半端」とも言うんですけど。(笑)

鈴木&海野P:(すでに、われわれは反面教師にされているのか……)

正能:例えば、現在活躍している30代の女性たちは、男性と同じように働いてバリバリ事業を生み出して活躍している40代、50代の女性をメディアで見てきて、「あそこまでは頑張れないし……」って考えました。で、自分たちは「女性としての生きかた」を世の中にコンテンツとして提供するようになった。自分でビジネスを生み出すよりも、ブロガーやインスタグラマーになってメディアで「女性として」発言したり。

鈴木:ふむふむ、「自分たちよりも上の世代の女性」を参考に自分たちの戦略を考えてるわけか。でも、実際に私たちより上の世代は、職場で女であることを意識させないようにバリバリがんばってた印象があるけれど、私たちは「女であること」を前提に生きてますよね。むしろ、「女性活躍」が叫ばれたりして、自分も周囲も必要以上に「女」を意識しているかも。

正能:なるほど。私が気にしているのは、自分の生きかたをコンテンツにしちゃうということは、「仕事をつくる側」じゃなくて「仕事をもらう側」になるということ。それだと、コンテンツとして、消費される立場になっちゃう。

鈴木&海野P:(わかるようなわからないような……でも、何かすごく本質的なことを突いている気はする!)

正能: つまり、40代の先輩からは「ビジネスは自分で生み出すべきだけど、男性と同じようにがんばるのは、なんか違う」という教訓を、30代の先輩からは「女性としての存在をコンテンツとして提供するのも、なんか違う」という教訓をもらったのが、20代の私たちなんです。

あとは2011年の東日本大震災で活発になった学生ボランティアと、個人でアプリがつくれるような技術革新があわさって、ちょうど学生起業が増えたタイミングだったことも大きい気がします。

鈴木&海野P:(わかってきたぞ!)

正能:でも、私よりもさらに下の世代はもっと戦略的。私たちの世代の女子大生起業家が、在学中はちやほやされてきたけど、社会人になった瞬間、うまくいかなくなるケースも見てるから。だから、学部のうちに起業して、大学院修士課程の2年間でオトナの世界でも通用するようにビジネスモデルを洗練させたり、自分の地位を確立したりしようとしてますね。

鈴木&海野P:へーーーー!

正能:まあ、そんなふうにどの世代も模索してるんですよね。だって、なかなか正解ってないから。

photo1-4

就職は、とりあえずしてもいいかな

鈴木:最初から疑問に感じているのが、正能さんはどうしてわざわざ会社員をやってるの?ってことなんです。ハピキラFACTORYがビジネスとして順調なら、それ一本にしたほうがラクじゃない?と。女子大生起業家として成功しながらも、フツーに就職したのはなぜ?

正能:ハピキラFACTORYという会社は、私の中で「家族」や「友達」と同じで、自分の一部なんです。「正能茉優」という人間に対して、親がいます、妹がいます、友達がいます、会社も持っています、みたいな。そんな感覚。

海野P:そんな感覚なんだ……(私、めっちゃマジメに就活してた子です)。

正能:ハピキラだけで稼ぐという選択肢ももちろんあるので、どちらでもよかったんです。ただ、「ローコストでハイパーハッピー原則」にもとづくと、今のカタチがいいかなって。

鈴木:出た!「ローコストでハイパーハッピー原則」(この言葉が、全国の社畜のみなさんの神経を逆撫でしているのでしょう)。正能茉優という人間をこの原則なしに語ることはできないと思うので、簡単に説明していただけますか?

正能:要は「1時間単位の自分の価値を最大化しなきゃ」ってこと。で、そのための戦略を3つ考えました。ナンバーワンになるか、ファーストワンになるか、オンリーワンになるか。

鈴木:なるほど。

正能:だけど、ナンバーワンは、学校のテストですら一番取れなかった私が、社会で一番になるのは難しいかな、と。ファーストワンも、理系で何か発明する可能性とかあればアリかもしれないけど、私には無理。だから、オンリーワンしかないな、って。でも、どうやってオンリーワンになるの?と考え始めて。

鈴木:また戦略を練ったんですね。

正能:はい(笑)。女子大生社長が、オンリーワンの存在なのかと言えば、そうじゃない。だったら「◯◯なのに、社長」という文脈に自分を乗せられたらオンリーワンになれるんじゃないかなって。それで就職することにしたんです。

鈴木:その◯◯に当たる部分が今は「SONYの社員」なんですね。

海野P:そこまで戦略的に考えて就活する学生いるんだー!

正能:どうしたら楽しくできるかなって考えるのが好きなんです。考えるだけなら、しんどくないから。でも、実際にしんどいことをやるのがイヤ。しんどいことを無理やり続けるのは、もっとイヤ。だから、それを避けるためにどうすればいいんだろう?楽しいことをするにはどうしよう?っていつも考えてるんです。

鈴木:(社畜の神経を逆撫でしまくってますね……)なるほど、嫌いなことをがんばることが「大嫌いな正能さん」と「大好きな海野P」、次回の対決が楽しみです。第2回は「がんばるって何だ?」というテーマについて引き続き考えていきたいと思います。

【第2回はこちら】「がんばるって、社会悪」 社畜OLとハピキラ社員が“努力”について考える

(構成:Duniakita編集長・鈴木円香)

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日本一ちっちゃな働きかた改革

脱サラした自営業者のDuniakita編集長・鈴木円香と、社畜プロデューサー海野Pのふたりが、時にはケンカも辞さず本気で持続可能なワークスタイルを模索する連載です。

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