「社畜プロデューサー」と「フリー編集長」の日本一ちっちゃな働きかた改革 第4回

何歳まで働こう? 32歳OL「100年が当たり前の人生」について考えてみた

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何歳まで働こう? 32歳OL「100年が当たり前の人生」について考えてみた

「日本一ちっちゃな働きかた改革」
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「フリー編集長」と「社畜プロデューサー」というまったく異なる立場から、Duniakita編集部というチームを運営している鈴木円香(33歳)と海野優子(32歳)。

脱サラした自営業者とマジメ一筋の会社員が、「心から納得できる働きかた」を見つけるため時にはケンカも辞さず、真剣に繰り広げる日本一ちっちゃな働きかた改革が現在進行中です。

第4回となる今回と次回は「いったい何歳まで働くつもり?」という問題について考えていきます。「定年まで働くつもり」と「死ぬまで働くつもり」では、全然発想が違ってくると思うんです。みなさんは、自分が何歳まで働くつもりか考えたことありましたか?

鈴木(左)と海野P(右)

鈴木(左)と海野P(右)

会社員を辞めて困ったこと

鈴木:実は会社員からフリーになって困ってることが一つ、あるんですよ。

海野P:おっ、いつも「フリーって、最高!!!」みたいな話ばかり聞かされてる社畜としては気になりますね。

鈴木:それは少しでも時間があれば、全部仕事を入れちゃうこと。会社員やってた時はオンとオフがはっきりしていたんだけど、フリーは基本全部オンだから。で、その結果のんびり本を読んだりする時間がなくなっちゃったんだよね。

海野P:なーんだ。もっと深刻な話かと思いました。

鈴木:ごめん(笑)。ん、で、このあいだのGWは「仕事しない!」って決めて、久しぶりにたっぷり本を読みました。何冊か読んだんだけど、そのなかで『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)が評判通り、やっぱりすんごくよくて。

海野P:あ、これ去年ベストセラーになった話題書ですよね。

鈴木:そうなのよ……恥ずかしながら編集者のくせに今さら読んだの。「クレヨンしんちゃん」の録画を繰り返し娘と見ていた時間を全部あわせれば、ゆうに本100冊は読めるのに……。2歳児を抱えるワーママのインプット時間は、絶望的に制限されてしまうんです。

でね、この本を読んで私自身、自分の働きかたについて改めて深く考えさせられたんですよ。ちょうどDuniakitaで、「フリーと社畜の働きかた改革」がスタートしたところなので、今回と次回は、この本をもとに「何歳まで働くつもり?」という問題について考えてみたいと思うんです。

海野P:社畜も基本、本読む時間ないので、ありがたいです。

おばあちゃんになっても働いていたい

鈴木:この『ライフ・シフト』がどんな本か、ひと言で説明すると「100年生きるのが当たり前になる時代の、新しい人生設計を提案した本」となるかな。人生100年が前提となると、仕事も、教育も、もちろん家族のありかたも、ガラリと考えかたが変わってくるよね? 今って、みんな60歳リタイアで人生設計しちゃってるけど、そろそろ考え直したほうがいいんじゃない? と、ロンドンビジネススクールの教授であるリンダ・グラットンっていうブロンドの素敵なマダムが問いかけている本なの。

海野P:ほう。わかりやすい。

鈴木:最初に聞くけど、現在32歳の海野Pは何歳まで働くつもりなの?

海野P:んーっと、おばあちゃんになるまでずっと働いていたいな。結婚しても、子供を産んでも、子供がひとり立ちしても、仕事は手放したくないです。専業主婦の母親を見てきて、「社会とのつながり」って本当に大事だと思うから。

鈴木:ということは、将来の夢は「ワーカホリックおばあちゃん」?

海野P:いやいや、さすがに今のペースでバリバリ働いてなくてもいいですけど。定年まで会社員は続けて、そのあとは退職金の一部で「スナック優子」とか開いてママをやりながら、足腰が立たなくなるまでずっと働き続けたいですね。やっぱり、私、仕事なしじゃ生きていけないと思うんです。

鈴木:つまり、60歳までこのまま会社員やって、1、2年のんびりして62歳くらいで「スナック優子」をオープン。チーママに元Duniakita編集フタッフを入れて、足腰が立たなくなる90歳くらいまで30年弱、働く魂胆なんですね。あとは、10年ほどベッドで麻雀をやりながら最期を迎える、と。

海野P:「スナック優子」を30年もやるのか……。

鈴木:そうよ。今から定年までが30年弱だから、それと同じくらいの期間、老体で「スナック優子」をやっていかなきゃいけない計算になりますね。

海野P:これから会社員を30年、「スナック優子」を30年、寝たきり麻雀を10年で100年かあ……もうちょっと真剣に考えます。

鈴木:うん、そうした方がよさそうね。

働く期間は20年延びる

鈴木:「スナック優子」の話はこのくらいにして、まじめな話に戻りましょう。

海野P:ですね……。

鈴木:著者のリンダ・グラットン先生と、同じくロンドンビジネススクール教授のアンドリュー・スコット先生はこんなふうに書いてるの。「2007年に日本で生まれた子どもの半分は、107歳以上生きることが予想される。いまこの文章を読んでいる50歳未満の日本人は100年以上生きる時代、すなわち100年ライフを過ごすつもりでいたほうがいい」。というわけで、30代のわれわれも一応100年生きるつもりで、いろいろ準備しておくべきみたいです。

で、「人生100年」となった時に、何が一番変わるかといえば、やっぱり働きかたらしい。

寿命が80歳の時代は、「教育→仕事→引退」という3つのステージだけ考えていればよかったわけ。20歳そこそこまで勉強して、そこから新卒でどっかの会社に就職して、まあ、転職とかいろいろありながらも定年の60〜65歳まで働いて。あとはリンダ先生とアンドリュー先生いわく寿命がくるまでゴルフコースでのんびりしていればよかった。海野Pなら、「スナック優子」で水割り片手に徹マン(註:徹夜の麻雀)していればよかった。

でも、寿命が100歳の時代にそれやってると、困るよ?と。

海野P:何が一番困るんですか?

鈴木:身も蓋もない話をすれば、まずは「お金」かな。年金制度がヤバいという話はずっとあるでしょ。支給年齢も上がってるし、支給金額も減ってる。さらに親の世代は貯金を食いつぶして老後を送ることになるだろうから、遺産も少ないはず。さらに、われわれの子どもの世代は、今の現役世代よりもっとカツカツになるから、支援してあげなきゃいけなくなるかもしれない。そうなると、最低80歳くらいまでは稼ぎ続けるつもりでいないと、結構生活が苦しくなるよ、と。

海野P:つまり、今はまだ60代で引退が当たり前だけど、80歳で引退が当たり前になってくるということ?

鈴木:そうそう。今は20代から60代まで40年ほど働けばいいけど、われわれは20代から80代まで60年くらい働かなきゃいけなくなるんだよ、ってこと。

海野P:40年と60年って、結構違いますよね。20年もあったら、かなりいろんなことできそう。

鈴木:そうだよ!「スナック優子」を全国展開できるかもよ!

とはいえ、60年も働き続けるのは大変…

鈴木:そうはいっても、「60年働き続ける」って、大変なんですよ。リンダ先生とアンドリュー先生いわく、40年なら昔とった杵柄で何とか乗り切れるらしい。「なんか、最近時代の流れについていけなくなってきたわ……」と気づいてもゆるゆるやっているうちに無事に定年が来たわけ。でも、60年となると、昔とった杵柄では食えなくなるポイントが途中で必ず訪れるらしいんですよ。

海野P:つまり、40代か50代かわからないけど、途中で大学に通うなり何なりして自分のスキルをアップデートしとかなきゃダメってことですよね。

鈴木:そうそう。途中で勉強し直して自分のメシの種を更新しておくということ。

40年だけ働くなら「教育→仕事→引退」っていう3ステージでどうにかなったんだけど、60年となるとこれを「教育→仕事→教育→仕事→引退」っていうマルチステージに変えていかないと、最後まで持たなくなるよ、と。ここまで単純化するとリンダ先生とアンドリュー先生に怒られるかも、だけど、極限まで話をシンプルにすれば、こういうこと。

海野P:そっかあ。勉強なんか、大学生やってた頃さえ全然してなかったし、社会人になってからもゼロですよ。

鈴木:だよね…それは私も同じだわ。仕事をバリバリやってると、何となく断片的なスキルや知識は増えていって、成長してるような気はするけど、それが、20年食わせてくれるほど体系的なものかといえば、違うよね。じゃあ、一体その「60年」を乗り切るためにはどんな戦略で働きかたを考えていけばいいのか?っていう問題を来週は一緒に考えていきましょう。海野P、今日もお疲れさまでした!

(構成:Duniakita編集長・鈴木円香)

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日本一ちっちゃな働きかた改革

脱サラした自営業者のDuniakita編集長・鈴木円香と、社畜プロデューサー海野Pのふたりが、時にはケンカも辞さず本気で持続可能なワークスタイルを模索する連載です。

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