「女子会やめた。」第3回 池田園子さん

「仕事関係者に見せるのは“喜”と“楽”だけ」 普通のOLが編集長になるまでの道のり

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「仕事関係者に見せるのは“喜”と“楽”だけ」 普通のOLが編集長になるまでの道のり

「女子会やめた。」
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連載第3回目のゲストは、編集者・ライターの池田園子さんです。26歳の時に書籍『フリーランスで食っていきたい!』を出版。現在はProject DRESS編集長を務めながら、さまざまな媒体でインタビューの企画・編集、書籍の編集協力などをされています。

ライバルが多いフリーライターから抜き出て、媒体の顔である編集長として女性読者からの信頼を勝ち取るには? 池田さんのキャリアから、そんなヒントを伺いました。

会社帰りに週5で原稿執筆 その後、勢いでフリーランスに

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小沢あやさん(以下、小沢):池田さんとの出会いは打ち合わせでした。第一印象は、とっても落ち着いている方だなと。その後ゆっくりお茶をしたら、同い年だということがわかって、対談したいぞ! と思ったんです。池田さんがライターになったきっかけは?

池田園子さん(以下、池田):会社員時代から書きたい気持ちがあって、ライターを募集している媒体にアタックしたら、たまたま採用されたんです。副業で週に5本くらい、夜な夜な書いて。時間的に取材はできないから、コラムとか翻訳記事が多かったですね。

小沢:週5! 定時上がりでもない環境で、なかなか書けません。書くことが本当に好きなんですね。私も会社員なので、執筆は深夜になるんですが、朝寝過ごすのが怖くて眠れなくなったり。最悪タクシーで行ければいいように、会社のロッカーにワンピースと化粧ポーチを置いてます。

池田:マジメ(笑)! 私、もともと体育会系だったので、カラダがかなり丈夫で、ほとんど風邪も引かないんですよ。小学校高学年のときに剣道、中学は陸上部で短距離走ってたり、大学では合気道部に所属していたり。よく驚かれてしまうんですけど、当時は真っ黒になって走ってました。

小沢:日焼けして走っている池田さんが想像つかないです。フリーランスの過酷な環境で書き続けられる基礎体力ができていたんですね。

池田:当時の原稿料はお小遣いくらいでしたけど、若いからなんとかなるだろう! と、勢いでフリーになりました。貯金もあったし、私が独立した2012年のタイミングって、まだライバルが少なかったんです。あとは純粋に「会社に勤めない生活もいいなぁ」と思って。電車通勤しなくていいし、楽しくない飲み会に行かなくてもいいし(笑)。結局会社員としてのキャリアは、3年未満でしたね。

コツコツ技を盗み、未経験から編集者にステップアップ

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小沢:OLの苦行から、解放されると(笑)。ライターって、誰でもPCあれば参入できるレッドオーシャンですよね。その他大勢のライターから頭一つ抜け出すために工夫したことは?

池田:仕事を細部まで丁寧にやることです。タイトル案も熟考して、推敲を何度もしたりして。とにかく編集者の手間を減らして「この人、仕事しやすい。リピートしよう」と思ってもらう作戦ですね。あとは、取材相手に「話しやすいな」と思わせる態度や相槌、声のトーン、話し方、動作を心がけました。取材相手に「赤字(原稿の訂正)が少なかった」と思っていただけると、その取材相手がまた仕事を紹介してくれたりとか。

小沢:ライター時代から、編集者としてのスキルアップをしていたと。

池田:ライターとして携わる仕事で、関係する編集者の仕事ぶりを見て、いいところを盗みました。とにかくやってみて、経験値を貯めましたね。医師のように資格の要る仕事ではないので、誰でもできるんですよ。最初は今でもお世話になっている恩人のような編集者から戻される原稿が、赤字だらけだったり、ひたすら直される日々だったんです。出来の悪い外部ライターにそこまで手をかけてくれる編集者なんて、皆無に等しいですから、本当にありがたかったですし、その方には今でも頭が上がりません。見よう見まねでやりながら、自分なりのスタイルを構築していきました。今はライターとしてより、編集者としての収入の方が大きいですね。

小沢:仕事を着々と丁寧にやることが第一と。池田さんは、キャリアのスタートが恋愛コラムでしたよね。恋愛って、身の回りのことだから、書くのにすごく気力がいると思います。結構過激なことを書いている方もいらっしゃいますから、実名ライターとして戦うのは厳しいジャンルかもしれません。

池田:そう! やっぱり恋愛コラムって、限界があるんです。書く人も多いし。そこで、私は取材が得意な人になろうと思って、書くテーマを徐々に硬質なものにシフトさせていきました。フリーだから、競争率が低いところへ。

小沢:それは大事なことですよね。今まで出会った最強のフリーランス女性って、どなたですか?

池田:はあちゅうさんです。Project DRESSの仕事で2ヵ月に1回くらいはお会いします。対談の仕事でご一緒することが多いんですが、口数はそう多くなく、選ぶ言葉が的確なんですよ。プロレスにたとえるなら、若手レスラーが10回くらい打撃するところを、1発でキメるというか。ベテランの風格がありますね。

小沢:趣味のプロレスの話が出てきましたね! はあちゅうさんは、TVでも媚びた発言をしないところが魅力的ですね。

しっかりして見られる秘訣は、まずゆっくり話すこと

小沢:そこから編集長にステップアップ。Project DRESSは池田さんより年齢層が高い媒体ですよね。リアルイベントもたくさんあって、読者の方と顔を合わせる機会が多いと思います。読者についてきてもらうために、信頼感を勝ち取るのも大事だと思いますが、工夫していることを教えてください。

池田:積極的に年上の女性と交流して、何を読みたいか、今何が気になるのかなど話を聞いていますね。ひとりで食事をしている時に、Project DRESS世代の女性たちがまわりにいたら会話をさり気なく聞いて、キーワードを拾って、企画のヒントにしたりしています。

小沢:会社員でもなかなか難しいんですが、“しっかりしている人”に見せるポイントってどこでしょう?

池田:まず、低めな声で、ゆっくり話すことでしょうか。それだけで「落ち着いてますね」と安定感があるような人に見られるのでおトク(笑)。人によって態度を変えないことも大事。目上の人や先輩であっても、過度にへりくだらず、毅然とした態度で接することですね。

小沢:耳が痛くなってきました(笑)。「なんであんなに下手に出ちゃったんだろう? なんであんなに謝ったんだろう」って思ってしまうことがあります。

池田:あとは、情緒が安定した人に見られるよう、喜怒哀楽のうち「喜」と「楽」以外の部分は、仕事関係者に対して見せないようにしています。以前はTwitterにくだらないことばかりつぶやいていたんですけど、それも編集長を始めてからやめました。

以前はフェイスブックもプライベートを垂れ流しにしていたんですけど、離婚したのを機にやめました。私が憧れる媒体の編集長の方々って、プライベートのことをSNSにダラダラと書いていなかったんです。スゴすぎる方なので、口に出すのも畏れ多いですが、VERY編集長の今尾朝子さんは憧れの存在ですね。今は仕事のPOSTが中心で、趣味のプロレスの話をたまにつぶやくくらいです。プロレス関連の仕事が入ってきたらいいな、という意図で(笑)。

小沢:確かに、ネットでは常に仕事モードでいることも大事かもしれないですね。媒体の顔ですし。

大事なのは、過度に期待しないこと

小沢:編集者って、間に入る仕事ですよね。調整することが多くて、自分のペースを保つのが大変だと思います。落ち着いていられる秘訣は?

池田:誰に対しても、期待しないこと。他人の行動って「ああしてくれたらいいな……」とひとり勝手に盛り上がって、期待してもコントロールしようがないんですよ。だから、一切期待しない。そうすれば何があってもイラつかずに、心を安定した状態で保てるんですよ。過度に期待をすると、うまくいかなかった時に行き詰まるんです。でも、最初から期待しなかったら、ちょっといいことが返ってくると嬉しいじゃないですか。

小沢:ネガティブ由来のポジティブ!

池田:あとは私、いい意味で鈍感なのかもしれません。それと、「人に期待しない」と関連しますが、人に執着しないようにしています。だからあまり、他の人に振り回されないでいられるんです。

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<今回のお店>
訪ねたのは、渋谷駅からすぐの「りある」。駅近ながら女性同士でも入りやすい、アットホームなお店。こだわりの炭火焼鳥が美味しい! 日替わりで旬のメニューも楽しめるので、ついつい仕事帰りに寄りたくなってしまいます。〆には親子丼がオススメです。

■店舗情報
住所:東京都渋谷区道玄坂2-8-8 MJ 道玄坂ビル 2F
最寄り駅: 渋谷駅
営業時間:通常 17:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:不定休
電話番号:03-6416-9261

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女子会やめた。

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