映画『ミケランジェロ・プロジェクト』買付・配給会社インタビュー(前編)

歴史を変えた男たち ナチスから美術品を守った「モニュメンツ・メン」とは

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歴史を変えた男たち ナチスから美術品を守った「モニュメンツ・メン」とは
『世界一受けたい授業』(日本テレビ/2015年10月24日放送)にて、ナチスから名画を守った男たちの戦いが取り上げられる。話し手は、映画『ミケランジェロ・プロジェクト』(11月6日公開)の原作である『ミケランジェロ・プロジェクト ナチスから美術品を守った男たち』を手がけたロバート・M・エドゼル氏だ。今回『Duniakita』では、同映画の日本における買付・配給を担当する株式会社プレシディオの南野修一氏に話をうかがった。(編集部)
ナチスから美術品を守った男たちとは

映画『ミケランジェロ・プロジェクト』より

ロバート・M・エドゼル氏による戦史ノンフィクション『ミケランジェロ・プロジェクト ナチスから美術品を守った男たち』が原作の映画『ミケランジェロ・プロジェクト』が11月6日、日本で公開される。そこで描かれる「モニュメンツ・メン」というチームは、第二次世界大戦下の1943年~戦後の51年まで実在した、連合軍の芸術専門家たちで結成された特殊部隊だ。

当時、ヒトラーの命令によってドイツ軍は、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチといった偉大な美術品を大量に略奪し、破壊しようとまでしていた。そんな中、モニュメンツ・メンがそれらを戦場の最前線で奪還し、歴史的財産を守ったという事実が近年、明らかになってきた。そのモニュメンツ・メンの活躍を、監督・製作・脚本も手掛けたジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ケイト・ブランシェット、ビル・マーレイといった豪華キャストで映画化したのが本作だ。

本作の日本における買付、配給を手掛ける株式会社プレシディオの南野修一氏に、戦後70年という節目の日本で本作を配給する意義、国内外の戦争映画の違い、戦争を考える上で映画が果たす役割などを伺った。

ナチスから美術品を守った男たちとは

株式会社プレシディオの南野修一氏

戦後70周年の日本で本作を公開する意義

――本作を戦後70周年の今年に配給することになったのには、何か理由があるのでしょうか。

南野修一氏(以下、南野):まず、これだけの豪華キャストですから会社としても動く価値があると思いました。そしてなによりも文化を守り歴史を変えてきた戦争中の男たちの存在は日本人も知るべきだと感じました。そこで各所にアプローチして調整をしていき、なんとか今年公開にこぎつけたという経緯があります。

――今年は安保法案の流れもありましたが、邦画でも多くの戦争映画が公開されたりメディアでも戦争特集が組まれたりしています。

南野:戦争に対する意識が社会的に高まっているタイミングで作品を公開することはとても意義があると思っています。誰もが知っている世界的な芸術品が現代にまで残っているのは第二次世界大戦中のモニュメンツ・メンのおかげだという史実としてのインパクトの大きさもありますし、戦争だけでなく芸術や歴史的財産を考えるきっかけにもなるので公開日も芸術の秋に合わせました。

歴史を変えた男たちの知られざる戦いを届ける

――モニュメンツ・メンは、日本人でもこの映画がなければほとんどの人が知ることのなかった存在ですよね。

南野:海外でも、映画公開前の彼らの認知度は同じような状態だったそうです。先日、原作者のエドゼルさんにお会いしたのですが、彼は家族でヨーロッパを旅行している時に「あれ? 第二次世界大戦でヨーロッパも大きな被害があったのに、なぜ今ここに美術品の多くが存在しているんだろう?」という問いがぱっと浮かんできたそうなんです。その疑問を友人、知人に共有してみてもみんながみんな、「確かに、なんでなんだろうね?」と。そこで独学で調べていくうちにたどり着いたのがこのモニュメンツ・メンでした。そしてこれだけの功績を残してきた人々なのに、戦争という歴史に埋もれて現代人に全く知られていないことに驚きと憤りを感じ、ビジネスで成した私財を投げうってまで、この男たちを世の中に広めるためだけに今後の人生を送ろうと思っている人です。ちなみに、ライト兄弟やウォルト・ディズニー、マザー・テレサやダライ・ラマ14世など錚々たる面々がかつて受賞した、アメリカ合衆国が国内外の民間人に授与する最高位の賞として知られる「議会名誉黄金勲章」を数日前に「モニュメンツ・メン」が受賞しまして、その式典にはエドゼルさんも出席し、スピーチもされていました。

ナチスから美術品を守った男たちとは

映画『ミケランジェロ・プロジェクト』より

――エドゼルさんのお話を聞いていると、日本のことも気になってきます。

南野:そうなってもらうのも狙いの1つですね。東京大空襲の時に都内にあった美術品はどうなったんだろうとか、京都の歴史的建造物が空襲に遭わなかったのは海外の人も価値を理解したから遠慮したのかとか、戦時中でも美術品に対しては敵国だろうと良心が働いていたのか、とか。本作はヒトラーに奪われた美術品を奪還する話ですが、映画を通すと結果的に日本のこと、戦争のことを考えることにもなる。もちろん日本における戦争をダイレクトに伝えるドキュメンタリーや資料映像で考えさせられることはたくさんありますが、別の視点やトピックから入ることで、幅を持って物事を捉えることができるのは映画が果たす大きな役割だと思います。

【後編はこちら】戦争の“コンテンツとしてのエンタメ化”には意義がある 映画が人々に果たす役割は

■公開情報

11月6日(金)より全国ロードショー
監督:ジョージ・クルーニー
脚本:ジョージ・クルーニー 、 グラント・ヘスロフ
出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ビル・マーレイ ほか
©2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

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