日本一ちっちゃな働きかた改革 第22回 田中美和さんインタビュー(第2回)

会社員からフリーに転身するなら、この経験を積んでから

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会社員からフリーに転身するなら、この経験を積んでから

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「フリー編集長」と「社畜プロデューサー」というまったく異なる立場から、Duniakita編集部というチームを運営している鈴木円香(33歳)と海野優子(32歳)。

脱サラした自営業者とマジメ一筋の会社員が、「心から納得できる働きかた」を見つけるため時にはケンカも辞さず、真剣に繰り広げる日本一ちっちゃな働きかた改革が現在進行中です。

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フツーの会社員でもフリーランスになれるの?

最近ちょっとフリーという働きかたも気になり始めた会社員生活10年目の海野P。胸にくすぶる疑問と不安を、主に文系総合職の女性に向けてフリーランスという働きかたを提案している株式会社Waris(ワリス)共同代表・田中美和(たなか・みわ)さんにぶつけに行きました。

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第1回:文系総合職はみんなフリーランスに転身できる?

あなたは何屋さん?

海野P:鈴木編集長からことあるごとに「フリーは楽しいよ!」と勧誘されていることもあり、フリーランスという働きかたにはすごく興味があるんです。でも、やっぱりやっぱり自信はない……。一番自信がないのは、「何をやって食っていくの?」という点です。

田中美和さん(以下、田中):ですよね。やっぱり大事になってくるのは、「あなたは何屋さん?」ってことです。フリーランスはクライアント企業から業務委託という形で仕事を受けます。社員は「あれもこれもやってね」と、ともすると業務内容があいまいなまま仕事を振られることがありますが、業務委託では「この業務内容に対してこの成果を出してね」という発注の仕方になります。つまり、私は◯◯屋さんだから、具体的にこれだけの成果は約束できますよ、と言えることが大事なんです。

海野P:「あなたは何屋さん……?」それが一番わからないです。

田中:例えば、女性消費者をターゲットにしたPRが得意です、消費財のマーケティングが得意です、ウェブマーケティングでコンバージョンを上げるのが得意です、とか。自分の得意領域を明確にしておくんです。

鈴木:実際には海野Pのような、自分が「何屋さんかわからない」という相談もよくあるんですか?

田中:ありますね。

その場合は、Warisではキャリアカウンセラーが面談をして一緒にキャリアの棚卸をやってみたり、職務経歴書の内容に対してアドバイスをしたりして、強みを洗い出します。あるいは転職するという前提で、求人情報を見るようにするだけでも気づける部分があると思いますよ。

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海野Pがフリーになった場合

田中:海野さんにもきっとあると思いますよ、「私は◯◯屋さんです」と言える部分が。みなさん、気づいてないだけなんです。

海野P:おお!

鈴木:(おっ、勧誘の甲斐もあって、海野Pもいよいよフリー転身か!)

田中:海野さんの場合、IT企業でウェブメディアを立ち上げた経験があるので、新規事業開発の案件などを受注できる可能性があります。新規事業開発の依頼は、ベンチャー、大手を問わず多いんです。そのなかで「ウェブサービスが得意」「女性向けサービスに詳しい」という特徴があると、案件を獲得しやすいです。

クライアントの獲得に際しては、この期間でこのくらいユーザー数を増やしたなど、具体的に語れる実績があると有利ですね。

海野P:ゼロから女性向けメディアを立ち上げて1年で200万UUまで成長させたとか、そういうのでいいんですか?

田中:いいですねー! 全然ありですよー! 新規事業開発って、大手でもベンチャーでもなかなか社内のリソースを割けないので、業務委託でプロを入れてミニマムにやりたいというニーズがあるんです。ベンチャーであれば社長が本業の傍ら片手間でやっていたりするので、その右腕的立場でローンチまで持っていく役割です。今、すごくニーズがある仕事ですよ。

鈴木:(この連載は毎回、海野Pが引く手あまたという結論に……)

フリー転身はこの経験を積んでから

海野P:田中さんが独立されたのは33歳。ちょうど今の私と同じ年齢なんです。やっぱりフリーになるなら、社会人経験は10年くらい積んでからのほうがいいんですか?

田中:具体的に何年の経験が必要というよりも、「企画から実行まで一連してやった経験」はあると有利ですね。たとえば、PRや広報であれば、「リリースを作成したことがあります」だけではなく、PR戦略の立案から、メディアへのアプローチ、そしてリリースの作成・配信まで一貫してやったことがあるか。

いちメンバーとしてプロジェクトに関わるというより、リーダー的立場で責任を持ってプロジェクトを遂行するという経験を積んでからフリーになったほうが、受注できる案件は増えますね。

海野P:社会人として最低何年の経験がないとダメという問題でもないんですね。

田中:そうですね。20代でキャリアを積んでアラサー、アラフォーくらいでフリーに転向されるようなケースが多いですが、絶対に何歳以上でないとダメという明確な区分があるわけではないです。個人差も大きいですしね。

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幸福度の高いフリーランスとは?

海野P:こうしてお話を伺っているうちにも、ますますフリーに惹かれていてヤバいです(笑)。やっぱ、フリーいいなあ。

田中:以前、Warisではフリーランス女性の幸福度についてアンケート調査したことがあるんです。その結果、幸福度に大きく関係していたのは、「今の自分は本当になりたかった自分かどうか」という項目であることがわかりました。みなさん最初にお金の心配をするんですが、私たちの調査結果では、幸福度と報酬との間に関連性は見られなかったんです。

鈴木:「ありたい自分」とは?

田中:難しいことじゃないんです。お子さんがいらっしゃる方なら、「毎日夜ごはんは一緒に食べたい」とか。フリーになったらこういう生活を送るんだ!という具体的なイメージがあった人は、幸福度が高い傾向にありました。逆に、なんとなくフリーになっちゃうと幸福度が低いのかもしれませんね。

海野P:(ギクッ……)

田中:やっぱり「フリーになってどうしたいの?」が大事なんです。まず送りたい生活を具体的に思い描く。そして、それは会社員では実現できないのか考える。これからは会社員の働きかたももっと自由になっていくはずなんです。副業OK、在宅勤務、週3出勤なども増えていくはず。もし、会社員のままで送りたい生活が送れそうなら、無理にフリーにならなくてもいいと思います。

鈴木:私と田中さん、ふたりのフリーランス支持者に囲まれて押され気味の海野P。最終回は、お金の話を中心に、フリーに憧れる海野Pの不安に応えていただきたいと思います。

(構成:Duniakita編集長・鈴木円香)

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日本一ちっちゃな働きかた改革

脱サラした自営業者のDuniakita編集長・鈴木円香と、社畜プロデューサー海野Pのふたりが、時にはケンカも辞さず本気で持続可能なワークスタイルを模索する連載です。

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