働きたい企業ナンバーワンの会社から、ベンチャーへ転職ってマジですか?

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働きたい企業ナンバーワンの会社から、ベンチャーへ転職ってマジですか?

一般的に転職というと「年収アップ」を思い浮かべますが、やりがいや成長を求めて「年収ダウン」しても構わないという人もいます。

たとえば、自動家計簿・資産管理サービスやクラウド型会計ソフトなどを開発するマネーフォワードに勤める土屋友美賀(つちや・ゆみか)さんは、Google(グーグル)からベンチャー企業に転職を決断しました。

グーグルで働くってなんだかすごい気がするけど……ベンチャー企業に転職して後悔はありませんか? 土屋さんに話を聞きに行きました。

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満足したら成長が止まると思った…

——土屋さんは、新卒でグーグルに入社した後、マネーフォワードに転職されているんですよね。グーグルの看板がなくなるという不安はありませんでしたか?

土屋友美賀さん(以下、土屋):はい。グーグルは革新的で素晴らしい会社ですし、金額も規模も大きな仕事を任せてもらっていました。でも、仕事をする中でこの売上に自分がどのくらい関わっているんだろうとモヤモヤするようになったんです。

——そういう悩みもあるんですね。

土屋:その頃、「さすがグーグルだね」と言われることにも違和感がありました。経営陣が決めたことが現場に降りてきて、達成に向かって行動する。さらに、プロダクトは誰が見てもわかるくらい圧倒的に強い。その中で自分の実力って何%ぐらいなんだろうって思うようになりました。

つまり「グーグルだから」できるけど、その看板を外した時、自分の経験として実になっているという実感がなかったんです。会社での結果を、すべて自分の成果だと思うようになったら、成長が止まってしまう。そんな風になりたくないと思って、4年目にグーグルを辞めました。

——不安はありませんでしたか?

土屋:ありませんでした。もちろん、前職は給料や福利厚生などに関しても充実していましたが、それらは私にとってのプライオリティではなかったので。とにかく成長を実感できる場所を強く求めていました。

経営に近い仕事がしたい

——なぜそんなに成長にこだわるんですか?

土屋:私、近い将来自分の会社を立ち上げたいんです。だから、人として、ビジネスパーソンとして、つねに「成長しなければ」という意識を持っています。

——意識が高い……。どうしてマネーフォワードへ?

土屋:グーグルを卒業しようかと考えていた頃、「うちに来ませんか?」と複数の会社から声をかけていただきました。これまでの経験が活かせそうなIT系の会社や、教育……。いろいろな会社に話を聞きに行きました。

——それはやりたい軸が見えていなかったから?

土屋:いいえ。「経営上の意思決定や組織を動かして実行する力」を身につけられるのはどこだろう、と。業界や職種にこだわるのはやめて、「ここだ」と思える場所を探して。その中で、当社の辻(注:マネーフォワード代表取締役社長CEOの辻庸介氏)と出会った時に、「この人と一緒に働けたら、求めていることが叶いそうだ」と思ったんです。

——ビビビっと? 

土屋:閃いたというか(笑)。辻のキャリアパスを真似できるんじゃないかって思ったんですよね。辻も、ソニーからマネックス証券に出向(その後転籍)して、そこで幅広い挑戦を積みながら課題をどんどん解決して、そして起業して。何百万人に愛されるサービスを作っている。その辻から、どんな風に意思決定をして、組織を動かしているのか、学びたいって素直に思ったんです。

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入社3ヶ月で部署異動。「より結果を出せる仕事に」

——迷いなく突き進む姿がカッコいいですね。

土屋:知らない業界に飛び込んだことで、失敗もたくさんしましたよ(苦笑)。「どんな仕事でもやります!」と言って入社したものの、実は最初の配属先では仕事内容が自分の志向に合わなくて3ヶ月で部署異動になりました。

——何でもそつなくこなせそうなのに。何が合わなかったんですか?

土屋:社長直下でのサポート業務です。

——え……? 経営者の最も近くで学べそうな仕事なのに……?

土屋:そうなんですけど……。挑戦してみてわかったことですが、サポート役として結果を出すことが、苦手だったようです(苦笑)。辻や事業部の本部長にも早々に気づかれて、「変えた方がいいね」と言ってくれました。「こいつダメだ」って切り捨てるのではなく、強みを見てくれて、臨機応変に対応してくれるところもマネーフォワードに入社してよかったと思ったことですね。

——そして現在のポジション(MFクラウド事業推進本部の営業企画リーダー)に。

土屋:はい。まずは営業メンバーの一員としてスタートしました。転職直後より異動した頃が一番プレッシャーを感じていたかもしれません。採用してくれた会社のためにも、グーグルを辞めた自分のためにも、組織に貢献しないまま終わりたくない。だから何が何でも成果にコミットしなくてはと思っていました。

行動計画を立てて、必死に実行して、毎月目標を達成して。そのうちに、じゃあ個人の成績だけでなく、会社の業績をアップさせるためのことをしてくれないかと言われるようになりました。

成長は振り返った時に気付くもの

——強く求めていたという成長は実感できていますか?

土屋:そうですね。マネーフォワードは2012年に創業して、今は5年目です。まさにこれから右肩上がりに成長していくぞというフェーズ。私が入社した時を振り返っても、当時は契約していただくことが難しかった企業が、契約してくださるようになるなど、確実に会社は成長しているなと思います。そんなタイミングで働けて、毎日楽しいです。

私自身も、営業の統括部門にいることで、目の前の最適化から、会社全体のことを考えなきゃいけなくなって、社内の人と話す機会が増えました。社内では営業とはまた別のコミュニケーションの取り方が必要なんだなと、新たな課題が見えるようになりました。

そこではしっかり話を聞いて、その施策を打つとどうなるか、会社のタイミングやビジョンとも照らし合わせないといけない。いくつも想定できるパターンがあるので先を読むことや、決めつけないことを強く意識するようになりました。

ある意味、社長直下のサポート業務よりも、今の方が事業を推進する上で必要な経験ができているといえるかもしれません。

——土屋さんに、この転職が合っていたんですね。

土屋:そうですね。でも、成長実感がものすごくあるかというと、その表現は適切ではないかもしれません。目の前のことに一生懸命取り組むうちに、気づけばできることがものすごく増えていたというのがしっくりくる気がします。

——成長したいならベンチャーがいいと思いますか?

土屋:「ベンチャーに入れば成長できる」と思っている人にはしんどいと思います。でも、それってベンチャーだからというのは関係ないのかな。大手企業と比較すると経営陣と距離が近かったり、任される範囲が広かったりするので、短期間でいろいろな経験が積めるという面はあると思いますが、受け身じゃなくて主体的に動くことが大事。

——今、仕事は楽しいですか?

土屋:はい。たとえば取引先から「MFクラウドを使って、これまでの業務効率化できたから、新しいことにチャレンジできるようになったよ」という声をいただくととても嬉しいです。だって、そのチャレンジが新しい価値を生み出すかもしれないじゃないですか。自分の仕事が社会に影響を与えているかもしれないと思うとワクワクします。

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(取材・文:Duniakita編集部・安次富陽子、写真:青木勇太)

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