日本一ちっちゃな働きかた改革 第13回「会社、辞めます」座談会1

「私、今まさに会社を辞めようとしています」ホンネが飛び出す座談会

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「日本一ちっちゃな働きかた改革」
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「フリー編集長」と「社畜プロデューサー」というまったく異なる立場から、Duniakita編集部というチームを運営している鈴木円香(33歳)と海野優子(32歳)。

脱サラした自営業者とマジメ一筋の会社員が、「心から納得できる働きかた」を見つけるため時にはケンカも辞さず、真剣に繰り広げる日本一ちっちゃな働きかた改革が現在進行中です。

海野P(左)と鈴木編集長(右)

海野P(左)と鈴木編集長(右)

第7回から続けてきた「有識者会議」をしばらくおやすみして、お盆前後は夏の番外編として座談会を挟むことに。

テーマは、「私、今まさに会社を辞めようとしています」。夏の休暇中はふと「このままでいいのかな?」という不安が胸をよぎるもの。すでに「辞めちゃう」という選択肢が浮かんでいる人もいるかもしれませんね。

今回は、「まさに辞めようとしている人」「辞めた直後の人」「やめて1年ほど経過した人」と、3人の脱サラ・フリーランサー志望者を招集。それぞれの「辞める理由」と「辞めてみて感じたこと」を聞いてみました。聞き手は、自分も辞めて2年目の新米フリーランサーの編集長・鈴木です。

今回の参加者はこちらの3人。

武田さん(仮名):34歳、現在外資系メーカーのPR担当。今年いっぱいで退職して来年からフリーランサーとしてPRの仕事をしていく予定。

七瀬さん(仮名):28歳、大学を卒業後、大手百貨店に勤務。中小企業、ITベンチャーを経て2ヵ月前からフリーランスのコミュニティ・マネジャーとして独立。

光浦さん(仮名):27歳、大学院を卒業後、大手日用品メーカーでSEとして勤務。1年ほど前に退職してフリーライターに転身。現在ライター業一本。

みなさん誰もが羨む大手or.外資出身ですけど…

——本日は「Duniakita働きかた改革」の番外編「私、今まさに会社を辞めようとしています」座談会にお越しいただき、ありがとうございます! いつも社畜プロデューサーこと、海野Pとセットなんですが、今回は会社員の悪口もきっと出てくるので、私だけで(笑)。

今回、みなさんの経歴を拝見して本当にびっくりしたんですが、揃いも揃って誰もが羨む大手or.イケてる外資ご出身なんですね。これは、どこも辞める覚悟を固めるには時間がかかりそう……。やっぱりフリー転身は悩まれました?

武田:いやー、相当モヤモヤしてました。本当にこのあいだ伝えたばっかりなんです、「辞めます」って。半年くらい辞めようかな?どうしよう?ってずっと頭の中でグルグルしてました。厳しく育てられて役職までもらったのに、それを全部捨てちゃうの? この会社も大好きでしょ? そんなふうに考えるとなかなか決断できなくて。

——でも、ついに決断しちゃったんですよね? きっかけは?

武田:転機になったのは、小林麻央さんが亡くなったことですね。実は同い年なんです。同い年でもやりたいことがやれなかった人がいる中で、自分がこうしてモヤモヤと生き続けるのはもったいないんじゃないか?と考えてるようになって。

——実は私も麻央さんと同い年。30代ってまだまだ時間がたっぷりあると思ってたけど、実はないかもしれないんだ……って考え直しましたよね。

武田:麻央さんが亡くなったのが6月末、そして翌月には会社に伝えました。年内まで働いて、来年からフリーランサーとしてPRの仕事を続けていく予定です。

——武田さんは社会人11年目にしてついにフリーに転身。相当モヤモヤされていたようですが、それが麻央さんの死によってスパッと断ち切られた、と。

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「今の自分」と「将来の自分」が繋がらない

光浦:私も武田さんほどじゃないですが、社会人をやっていた時は結構モヤモヤしてました。前職は、大手の日用品メーカーでSEの仕事をやってたんですけど、「今の自分」と「将来の自分」が全然リンクしなくてつらかったんです。

——あー、それはありますよね。「この仕事」を仮に10年続けて、10年後の自分はどうなってるの?というのが思い描けないというのは。

光浦:そうなんです。具体的には、物流部門のコスト削減をシミュレーションして考える仕事をしていたんですけど、毎日やっている仕事が「10年後の自分」にどう関わってくるのか何も見えなくて。輸送コストが下がれば社会的には意味あるんですが、個人的には……?で。そりゃ、続けていればスキルも知識もそれなりに身に着くから達成感はあるんですけど、それだけだと会社員を続けられなかったですね。

——確かに、「日々の仕事から得られる達成感」だけでは自分を支えられないですよね。いくら達成感があっても、「将来の自分」が見えていないとつらい。

下積み期間が長すぎる!

七瀬:私の場合、フリーになるまでに3社経験しているので違うかもですが、そういえば新卒で入社した大手百貨店では、かなりモヤモヤしてましたね。まあ、1年ちょっとで辞めて「次、行こう!」ってなったので、ごく短期間ですけど(笑)。

特にモヤモヤしたのは「下積みが長すぎ!」ってことですね。入社してすぐ台帳の裏にテープを貼る仕事をやらされてびっくりしました。この時代にまだ紙なんです! 東京の大学まで出してもらったのにこんな仕事しているなんて……って親に申し訳なさすぎて悲しくて悲しくて。

——江戸時代の呉服屋の丁稚奉公そのまんまじゃないですか……。

七瀬:そうなんですよ……。仕事内容もそうなんですけど、収入面も「下積み」が長くて。業界では一番高給の会社なんですが、それはバイヤーまで上り詰めたらの話で、20代のうちはすごく低い。しかもバイヤーまで行くには、ハイソな感じの東京出身者が有利。やっぱり子供の頃から蓄積した知識のセンスの差が歴然としていて。地方出身の私には勝ち目がないな、と。

——この先にながーい、ながーいレースがあると気づいた時に、それを勝ち抜く自信もないし、その意味も感じられなかった、と。

七瀬:あとは「巨大すぎて変えるのムリ」っていう諦めもありました。最初は業界最大手で影響力のところに行こうと入社したんですが、いろいろ課題があると気づいた時に、組織が大きすぎて内側から変えられるわけがないな、と。そういう挫折感もあって、2社目、3社目と転職していきました。

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「納得できない仕事」は簡単に切り捨てられる

——将来の自分がイメージできない。出世レースを勝ち抜ける気がしない。組織が大きすぎて変えられない。「辞めようかな」という考え始める理由は、他のDuniakita読者の話を聞いていても、このあたりが多いように感じます。

ちなみに今回の参加者の中で唯一のワーママである武田さんは、フリー転身にはお子さんのことも関係しているそう。まあ、そうですよね。私もそうです。

武田:私が「会社員を辞めよう」と決めた理由は、大きく分けて2つあるんですが、確かにそのうちの1つは子供です。

今、3歳になるひとり娘がいるんですけど、やっぱり「もっと一緒にいたいな」って思っちゃったんです。私、もともと本当に今の仕事と会社が好きで、「半年で戻ります!!!」って言って産休に入ったんです。でも、いろいろ事情があって1年半後に復帰する頃には、「もっと一緒にいたいな」と思うようになっていて。自分がそんなふうに変わるなんて、全然予想できなかった

——「やっぱり子供がかわいくなっちゃった」なんて口が裂けても言いませんけど、まあ、一緒にいたいな、とは思いますよね。「仕事か子供か」じゃなくて、「納得できる仕事と子供」なんです。「納得できない仕事」は子供がいたら、心の中で簡単に切り捨てられる。

光浦:私のまわりでもそれを見越して早めに動いている女性は結構いますね。将来、産みたくなったら子供との時間を確保できるように、アラサーのうちからフリーに転身できるように準備しておく。

——まあ、世の中的にもこれだけ「会社で働きながら育児と両立は大変!」というメッセージが流れてますから、先手を打っちゃうのも無理はないかもしれないですね。

うちは2歳児がいますが、フリーという働きかたは保育園に入りづらいという問題さえ解決されたら、これほど自由のきく働きかたはないと感じてます。ホンネでは、ワーママは全員フリーになればいいのに、とさえ思ってますよ(笑)。

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少数精鋭で働きたい

——ところで、武田さんが「辞める」2つ目の理由は?

武田:2つ目の理由は「裁量権が欲しいから」です。今の会社は3社目で、1社目が中小、2社目が大手、そして現職は外資系メーカーですが、入社時は日本法人を立ち上げたばかりで私はPRの第1号だったんです。PRは厳しい上司と私のふたりだけ。みっちり育てられながら成長して、単なるPRの枠を超えてブランドマネジャー的な仕事もできるようになったんです。少数精鋭で裁量権が広くてすごく楽しかった。

——それが今では?

武田:それが1年半育休をとって休んでいる間にガラリと変わっちゃって。会社がどんどん大きくなって、全体でいうと3倍くらいになっていて。PRの部署も、マーケティング部全体を監督する上司も来たりで、階層が複雑になり、ことあるごとに「大きい組織は向いてないな」と感じることが増えたんです。

——日本法人を立ち上げたばかりの外資や、成長途上のベンチャーだと、1年ほどで組織が2倍、3倍となって環境がガラリと変わっちゃこともありますよね。その過程で会社側が求める人材も「小さな組織に向いてる人」から「大きな組織に向いてる人」にシフトしていきます。

武田:そうなんです。でも、私は本当にデキる人と少数精鋭で、いろんな人を巻き込みながら進めていく仕事のやりかたが好き。でも、組織が大きくなると、そういう動きがとりづらくなって復帰後の1年半はしんどかったです。ポジションを上げたら裁量が増えるかな、とがんばって役職を上げたんですけど、特に何も変わらなくて。このまま会社にいても、自分が満足いく仕事ができない、と感じたことは「辞める」と決めた一番の理由ですね。納得できない仕事のために子供との時間を割きたくなかったですし。

——でも、辞めたあとの選択肢としては「独立」の他に「転職」もありますけど、やっぱり転職よりも独立?

武田:やっぱり会社員をやっている限り、時間が制限されてしまい「子供ともっと一緒に過ごしたい」という思いは叶わない。それに今の会社と商品がすごく好きだから、他に行きたいところがなくて。育ててくれた上司にもすごく恩を感じているし。だったら、もうひとりでやろう、と。

——あと、現実問題として3歳児を抱えながらの転職は難しいですよね。

武田:はい、今の時代でもやっぱり採用面接で「時短です」とは言えないのが現実ですから。来年から一人会社として独立する予定です。ちょうど夫も独立してひとり会社をやっているのでいろいろ教えてもらいながらやろうと思ってます。

——フリーといっても一応ひとり会社を設立して独立されるおつもりなんですね。私も株式会社を設立して会社としてやってます。でも、個人事業主としてやっていく方法もありますよね。後半では、どういうカタチでフリーとして働いていくのかについて話しあっていきたいと思います。

(構成:Duniakita編集長・鈴木円香)

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脱サラした自営業者のDuniakita編集長・鈴木円香と、社畜プロデューサー海野Pのふたりが、時にはケンカも辞さず本気で持続可能なワークスタイルを模索する連載です。

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