ドラ・トーザンさん、田中俊之さん対談(後半)

「公園で過ごすだけで楽しい相手と恋愛すべき」フランス流“無理しない生き方”

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「公園で過ごすだけで楽しい相手と恋愛すべき」フランス流“無理しない生き方”

著書『フランス人は「ママより女」』(小学館)で、「自由」や「自立」を重んじるフランス人のライフスタイルを紹介した国際ジャーナリストのドラ・トーザンさん。最新著書『愛される男の自分革命』(徳間書店)が好評のドラさんと、『男がつらいよ』(KADOKAWA)や『男が働かない、いいじゃないか!』(講談社)の著書が話題の社会学者・田中俊之(たなか・としゆき)さんが対談します。

テーマは、「男の生き方、女の生き方」。前編(http://duniakita.info/archives/42092)に続き、後編では、男も女も無理しないフレキシブルな生き方について語り合います。

フランス人は「ママより女」 (小学館文庫)

なぜ、日本人の男性は恋愛に消極的?

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−−日本人男性が恋愛に対して消極的なのは、「拒否されるのが怖い」というのはありますよね。

ドラ:それはあるかもしれないですね。「怖い」とか「面倒臭い」とか「わからない」とか。

田中:自分が傷つくのが怖い分、「相手に対して優しい」という長所もありますけどね。きっとドラさんの言うアムールには、失敗も成功もあるけれど、その失敗が(日本人は)怖いから「アムールなんて、要らない」ってなる。それに、男がリードするとか、ジェントルマンとしてふるまうとか、そういうことには、必ず上下関係、主従関係が生まれるわけで、歪みも当然生じますよね。

−−自由で主体的な恋愛をするためには、お互いが経済的にも精神的にも自立していることが大事なのかと。

ドラ:それは間違いないですね。親が子どもに対し、第一に教えなければならないことが「自立」だと思います。

田中:結局、「自立できない=自信がないから自己主張できない」なんですよね。会社にぶら下がっていれば、少なくともひどい目には遭わずにすむ。でも、そこに自由や自立はありません。「自立と自立を重んじ、自信を持つ」ことに関しては、私たちもフランス人から学ぶべきなのかなと思います。そして、女性が経済的に自立するには、女性の平均所得の方が少ないという状況も解消しなければなりませんね。

家事は向いている方がやればいい

−−ドラさんも著書で書いていますが、「お金をかけないで、どう楽しむか」も大事だと思います。

田中:日本の男女は、「お金をかけないとデートを楽しめない」と思っている人が多いですよね。そりゃ、お金をかければそれなりに楽しめますが、それはお金を支払った相手に楽しませてもらっているだけで、自分で能動的に楽しんでいるわけじゃない。

ドラ:そうですね(笑)。

田中:お金を払って誰かに楽しませてもらうのではなく、お金をかけずに自分で楽しみを見つける方法を、日本の若者はもっと訓練すべきです。そして、そういう「楽しみ」を共有できる人を恋人にすべきじゃないでしょうか。

公園に行って、ただ話しているだけで楽しい相手なら付き合いたい。それって自然なことですよね。でも日本人は、「この人と恋愛したい」「この人と結婚したい」んじゃなくて、ただ「恋愛がしたい」「結婚したい」って言うんですよ。

ドラ:日本人女性の場合、ある年齢に達すると結婚のプレッシャーがかかりますよね。これも理解できない。

田中:それは、日本では「普通」であることが大事だからです。普通でありたい、ノーマルでありたい。「あいつ、おかしいね」と後ろ指をさされたくない。批判されるのが怖いから、「自分を『普通』にしておきたい」と思うと、結婚するのも普通だし、就職するのも普通だし、子どもがいるのも普通だし。

−−さらに女性の場合は、「いいお母さん」であることが求められますよね。

田中:だから、子どもを産むとアムールがなくなってしまうんです。「夫と妻」ではなく、「ママとパパ」になってしまう。たとえば、母乳で育てるのが「普通」ってなると、女性がどんどん「お母さん」化した時に、同じ手厚さで2人も3人も育てるのはとてもハードですよね。

日本では、私の父親くらいの世代だと「朝のゴミ捨て」をやっただけで、「男も家事に協力している」ことになっていますけど(笑)。フランスはどうですか?

ドラ:夫の方が料理上手だったら夫が作るし、掃除は時間がある方が、気がついた時にする。家事に対して、あまり「男性の役割」「女性の役割」っていう考え方はないですね。すごくフレキシブルにとらえています。ヨーロッパでは、男女とも結婚する前に一人暮らしをする人が多いから、家事も自然に覚えるんじゃないでしょうか。

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田中:そういう意味では、日本でも今の若者は、「家事は女がやるもの」っていう親世代の呪縛からだいぶ解放されてきているのかもしれないですね。ドラさんが言うように、何にせよ「向いている方がやればいい」と思うんですよね。男の方が料理上手ならやればいいし、女の方が稼ぐのが得意なら働けばいい。

そのためにはやはり、「人から自分(自分たち)がどう見えているか?」じゃなくて、「自分がどうしたいか?」に発送を転換していかなきゃいけないのかな。そうしないと、生きづらさは続くし、幸せにはなれません。

ドラ:いろんな生き方があっていいんですよね。やはり日本社会で圧倒的に足りないのは、「フレキシブルさ」だと思います。システムや法措置はだいぶ変わってきたけど、相変わらずメンタリティは変わらない。「普通じゃない生き方」に対してもっと多くの人が寛容さを持つようになれば、生きやすい世の中になるはずです。

(黒田隆憲)

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