「ミュゼ」代表取締役・齋藤直美さんインタビュー【後編】

必殺技は「オウム返し」? 女同士の悪口大会に巻き込まれたら……

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必殺技は「オウム返し」? 女同士の悪口大会に巻き込まれたら……

職場でのコミュニケーションがうまくいったら、仕事にかかるストレスはかなり軽減され、仕事にもプラスに働くことが多いのではないでしょうか。

人材育成や組織活性化などの事業を手掛ける「株式会社ミュゼ」代表取締役で、『なぜ、あの上司は若手の心を開くのか』(青春出版社)などの著書もある齋藤直美(さいとう・なおみ)さんに「職場でのコミュニケーション」について聞きます。前編は「女性の上下関係」について聞きました。

後編の今回は、上司や部下といった上下関係ではなく、先輩や後輩、同僚といった「女性同士のコミュニケーション術」です。

鉄則は「その場にいない人の悪口に乗らない」

――女性同士のコミュニケーションに悩まれる女性は多いですか?

齋藤直美さん(以下、齋藤):当社の研修に参加された方の中にもいらっしゃいますね。自分がよかれと思ってやったことがまわりから「媚び売ってるよね」と叩かれたり、「子どもがいるからって早く帰りやがって」と陰口を言われたり。もちろん、表面的にはうまくいっているように見えるんですが、そんなのは日常茶飯事です。

不思議なもので、女性は悪口を言いながら関係を築いていくという特徴があるんですよ。ひとりで孤立するのは怖いから、共通の敵を作り上げてうわべだけの薄っぺらい関係を築いていくんです。

――いつ何時、どういった理由で恨みを買うかわからないわけですね……。女性同士の人間関係で困ることといえば、「同僚の悪口大会に巻き込まれる」というのも一例としてあると思います。女性の同僚が別の同僚を悪く言っていて、「ねえ、あなたどう思う?」なんて聞かれた場合、どう切り抜けるのが正解なんでしょうか?

齋藤:おしゃべりの中で、その場にいない人の話題が出たら、その話には乗らないというのが鉄則です。誰かを誹謗中傷するような空気になったら、「ごめんなさい、もう戻らないと次の予定が」などと口実を設けて、その場を立ち去るようにしましょう。いると、どうしても話に加わらないといけなくなってしまいます。

相手ではなくて「私」を主語にする

――「場にいない」のが重要なんですね。それでもなお、陰口への参加を求められたら……?

齋藤:悪口を言っている時に、「あの人って○○よね~。あなたはそう思わないの?」と聞かれることも多いと思うんですが、そういう時にぜひ心がけてほしいのが「私はこう思う」と「アイ・メッセージ」で発信すること。「あなた、悪口を言うなんてよくないと思うよ」と「ユー・メッセージ」にしてしまうと角が立つので、「私はそうは思いません」「私はそういう話題はできたら避けたいので」と、「私」を主語にするよう心がけましょう。

女性は「嫌われたくない」という思いが強いですよね。でも「どうすればみんなに嫌われないだろう」と考えるのではなく、問題にすべきは「自分はどうしたいのか」。仲間に入って誰かを謗る人間になりたいのか、それとも中立な立場でいたいのか。他人を主体にするのではなく、自分を主体にして考えてほしいです。

特定の人とだけ付き合わない

――素直に自分の意志を伝えることで、逆にまわりの人からやっかまれる……なんてことはないんでしょうか。

齋藤:一部の人間にやっかまれていづらくならないよう、誰とでもまんべんなくよい関係を築いておく、というのが大前提です。特定の人とだけ付き合おうとすると、悪口や余計な詮索に巻き込まれざるをえなくなりますからね。

必殺技は「オウム返し」

齋藤:たとえば、社交的でバリバリ仕事をやっている同僚がいたとして、その女性を槍玉に上げて「あの子、媚びてるよね〜」と話を振られたら、簡単に相手に同意しないこと。同意をする=悪口を言う仲間に入ったことになってしまいます。

「あの人はこういうところで努力してますよね」「コミュニケーション能力が高くて、人脈を作るという点ではうまいですよね」と、よい部分にフォーカスして返します。

しかし、自分の意見を言うのが怖いのであれば、オウム返しで切り抜けるという手もあります。「そうですよね」だと同意になってしまうので、「○○さんはそう思ってらっしゃるんですね」と相手のセリフをそのまま返すんです。オウム返しは否定も賛同もしていない言葉です。その後、「あ、すみません。まだ仕事が残ってるので」と席を立ったり、携帯に電話がかかってきたフリをして、輪を離れたりすることをおすすめします。

むしろ女性をうまく味方に……

――女性の同僚との関係って、正直、仕事のパフォーマンスに影響するんでしょうか?

齋藤:数値化できるものではないので、定量的にどうとは言えないんですが、仕事のやりやすさはまったく違うと思いますよ。何か依頼した時の相手の反応もまるで違うでしょうし。

前回の記事でもお話ししたのですが、女性は「選ばれたい」生き物です。ですから、基本的にビジネスライクに付き合うことが苦手。もちろん、それがいい方に作用する時もあるんですが、悪い方に作用すると一気に関係が悪化してしまう。仕事だからといって割り切れないんです。男性は私情を分けて考えることができるので、その点はやはり女性と男性で異なるところですね。

女性の同僚と関係がこじれた場合、円滑なコミュニケーションができないために自分一人で仕事をしなくてはならず、しまいには身体を壊してしまった……というケースもあるでしょう。しかし、相手といい関係を築くことができれば、仕事を頼みやすかったり、期待以上の成果を上げてもらえたりすることで、迅速にこなせるようになるかもしれません。

女性の同僚を味方につけて仕事をしていくためには、誰とでも同じような距離感で交流すること、誰にも悪口を言わないこと、評価をし合わないことを心がけましょう。

(小泉ちはる)

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