あのドラマヒロインを追え!Vol.02

“プレッシャーなき恋愛ドラマ”が女性を癒す 『毒島ゆり子のせきらら日記』プロデューサーに聞く

SHARE
“プレッシャーなき恋愛ドラマ”が女性を癒す 『毒島ゆり子のせきらら日記』プロデューサーに聞く

「このドラマを恋愛体質のすべての女性たちに捧げる」
というメッセージから始まる深夜ドラマ「毒島ゆり子のせきらら日記」(TBS)は、4月クールで最も“攻めている”意欲作。キャストの新井浩文がTwitter上で行なった視聴者アンケートには1万を超える回答が寄せられるなど、口コミでその面白さが広がりつつある。

前田敦子の新境地

「毒島」と書いて「ぶすじま」と読む珍しい苗字のヒロイン・ゆり子(前田敦子)は、名前とは違ってキュートなルックスの25歳。新聞社政治部の新人記者として国会の議員会館に通い、仕事に奮闘しているが、プライベートでは、常に2人の男性と付き合ってきた恋多き女。既婚者である政治記者の小津(新井浩文)とも関係してしまうが、小津に「君のために妻とは離婚した」と言われ、有頂天になって二股恋愛を卒業した。毎回あるHシーンやゆり子の心情を表したセリフが、ネット上でも「エロい」「リアル」と評判だ。

このドラマを制作したのは、TBSに2007年入社、2014年にドラマ制作部に異動したばかりの若手プロデューサー、橋本梓さん。新しい才能を発掘するのが目的であるこの「テッペン!水ドラ!!」枠で社内コンペを勝ち抜き、本作が初プロデュース作品となった。

橋下梓さん

橋下梓さん

32歳独身プロデューサーの“せきらら”

「私は32歳で独身なんですが、企画を出したとき『ドラマ制作で新参者の私が他の人に勝てるもの』と考えたとき、自分の経験してきたことを描くしかないと思ったんです。ですから、自分が20代の頃に女友達と話していたような“せきらら”な話や、『男子の前では言えないよね』というような恋愛観をこの企画に込めました。かなり身を削って作っています(笑)。以前は報道部にいましたので、ゆり子が国会議員の車のナンバーを覚えるなど、仕事の描写でも経験したことを出していますね」

ドラマ制作には、ベストセラー小説が原作、脚本家の発案など、いろんなパターンがあるが、本作はプロデューサー主導の完全オリジナル。プロット(あらすじ)はもちろん、ヒロインのセリフまで橋本さんが書いていることが多いという。

ゆり子は女の強さと弱さを凝縮したヒロイン

©TBS

©TBS

「ゆり子は、自分の欲と本能を第一にして生きている。女性スタッフからは『このヒロインは嫌われないかしら』と心配する声もありました。だから、恋愛体質だけれど、恋にも仕事にも一生懸命で、働く女性が応援したくなるキャラクターというのを大事にして、前田敦子さんに演じてもらいました。前田さんがダメな女の表情をするときにすごく思い切ってやってくれて、助けられましたね。二股をかけているのに澄ました感じだと嫌われてしまうんですが、振られたときは本当にみじめな顔をしているので、同性から見ても等身大に感じられるんじゃないかと…。ゆり子は女の強さと弱さを凝縮したヒロインなんです」

4月クールでも「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(TBS)など、婚活を描くドラマが多い中、ゆり子が二股や不倫など、結婚から遠ざかることばかりしているのが面白い。

現代の日本で女性はひとりでは生きられないの?

©TBS

©TBS

「私と同じ30代や20代の女性は、『結婚しなきゃ』、『婚活が大事』というプレッシャーを受けることが多いですが、この21世紀の日本でも女性はひとりでは生きられないの?という疑問を感じます。私自身がそうであるように、『少数派でも、嫁に行き遅れていても、こうやって楽しんで生活している女子っているんだよ』ということを言いたかったんです。恋愛ドラマでも、結婚できるかどうかというゴールのある作品がすごく多いので、逆に『今が楽しければ、いいじゃん』という“女の青春”をキーワードにしています」

5/25放送の第6話では、同棲していた小津が出ていってしまい、さびしくなったゆり子は元彼と再接近。本当に離婚したかどうか怪しい小津との恋愛について、ゆり子が女友達から「今のあんたは、不倫男の性欲のはけ口でしかない」と言われてしまう。6/22放送の最終回までの折り返し地点になるが、後半はまだ登場していないキャスト、バカリズムさんや清原果耶さんも絡んで、怒涛の展開になりそうだ。

どんなに裏切られても、恋愛をやめない

©TBS

©TBS

「ゆり子にも女の弱さがあって、小津に『君のために離婚した』とまで言われると、それまでの『男を信用しない』という信条をポーンと捨てて、感情に走ってしまった。そこからどんどん悲劇的な展開になっていきます。ただ、どんなに裏切られても、ゆり子は妥協しないし、恋愛をやめない。そして、最終回でゆり子がたどりつく結論には、思いっきり私の願望を込めてみました。それを読んだ男性スタッフに『女って怖い』と引かれてしまったほどです(笑)。ぜひラストシーンまで見ていただければと思います」

(小田慶子)

■毎週水曜深夜0:10放送(5/25は深夜0:12より)
※放送情報はすべて関東のもの、地方各局の放送日時は番組公式サイトをご参照ください

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

“プレッシャーなき恋愛ドラマ”が女性を癒す 『毒島ゆり子のせきらら日記』プロデューサーに聞く

関連する記事

編集部オススメ

仕事と恋愛、キャリアとプライベート、有能さと可愛げ……女性が日々求められる、あるいは自分に求めてしまうさまざまな両立。その両立って本当に必要?改めて問い直すキャンペーンが始まります。

後悔のない30代を過ごしたい。ありとあらゆる分野のプロフェッショナルに、40歳から自分史上最高の10年を送るために「30代でやっておくべきこと」を聞いていきます。

記事ランキング