まきむぅと考える「セクシュアル・マイノリティ―ズ」との付き合い方 vol.9

彼がセックスに応じてくれない…もしかして、ゲイ?|LGBTsさんといっしょ。

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彼がセックスに応じてくれない…もしかして、ゲイ?|LGBTsさんといっしょ。

セクシュアル・マイノリティーズとの付き合い方について、短いストーリー形式で考える連載「LGBTsさんといっしょ。」私こと「まきむぅ」と、私の妻である「モリガ」との会話をもとにお送りします。おしゃべりする気分でいっしょに考えていきましょう。

今回のテーマはこちらです。

「彼がセックスに応じてくれない……もしかして、ゲイ?」
Q. 彼との交際を実らせ、ついに同棲をスタートしました! でも、ひとつ問題が……セックスに応じてくれないんです。付き合ってから、一度も。私はムダ毛処理も完璧だし、下着だってセクシーなものをつけてるのに。男性が彼女と暮らし始めて一度もセックスしたがらないなんて、おかしくないですか!? 私、愛されてないんでしょうか。もしかして彼はゲイで、私をカモフラージュに使っているのでは……と心配になっています。

「愛情表現=セックス」、っていう人ばかりじゃなくない?

モリガ「ずっと付き合ってきてて、それで一度もセックスしてないって?」

まきむぅ「そうおっしゃってるわね」

モリガ「えっ、それ、どうやってお付き合いしてきてたんだろう? うーん…………、ぶ、文通?」

まきむぅ「文通」

モリガ「それくらいしか考えられないよね?」

まきむぅ「それはそれで古風で素敵だけど、恋愛の形に正解はないからね。何度も会ったり一緒に暮らしたりして付き合ってるけど、『愛情表現=セックス』とは思わない、だからセックスはしてない、っていう人だっているでしょう」

モリガ「ほへぇ……」

イラスト:小池みき

イラスト:

まきむぅ「彼がセックスに応じてくれないからって、こういうふうに思い込むのはちょっと早いかもね」

「男女で同棲=セックス!」とはならない、さまざまなあり方

モリガ「確かに、世の中には、愛情表現としてのセックスもそうじゃないセックスもあるよね」

まきむぅ「そうね。愛していない相手とヤれるって人も、愛しているからこそヤらないっていう人も世の中にはもちろんいるわね」

モリガ「うん。まぁ、人それぞれかな」

まきむぅ「そう。本当に『人それぞれ』の一言に尽きるんだけど……。その一言で済ませてしまうと、なかなか『愛してるのにセックスしないなんておかしいでしょ!?』みたいな揉め事になりやすいっていうのもあるわよね。あと、『自分だけがおかしいんだろうか……』って悩んじゃう人もいるし。だから、同じような人同士が集まれるように、愛情とセックスを一直線上で考えないあり方のことを次のような名前で呼ぶこともあります」

★アセクシュアル(無性愛)
他者を恋愛感情や性欲の対象としない。
かと言って「愛が無い」のではなく、家族愛や深い友情など、恋愛関係以外で結ばれたパートナーを持つ人や、結婚制度を利用する人もいる。
また「性欲が無い」とも限らず、セックスはしないが自慰はする、というような人もいる。

★ノンセクシュアル(非性愛)
他者に恋愛感情を抱くが、性欲の対象とはしない。

★デミセクシュアル(半性愛)
特定の性別を性欲の対象としていない。ただ、深い恋愛感情や友情など、非常に強い絆を持った相手とだけ性的なつながりを持つことがある。このうち、強い絆を感じた異性だけを性的対象とする人は「デミヘテロセクシュアル(半異性愛)」、強い絆を感じた同性だけを性的対象とする人は「デミホモセクシュアル(半同性愛)」と呼ぶこともある。
(星海社新書『百合のリアル』、および当事者団体AVENの解説をもとに要約)

まきむぅ「日本ではまだまだ、馴染みが薄い言葉かもしれないわね」

モリガ「またカタカナだし!」

まきむぅ「まあ、英語圏で生まれた言葉だからね。例えばイギリスでは2015年に、ジョージ・ノーマンさんという男性が無性愛者であることを隠さずに選挙に出ています。ノーマンさんは地元メディアに、『現代では若い世代に対して「別にしたくないなら、セックスを望まなくてもまったくOKなんだよ」というメッセージが伝えられていない』と語っていたそうよ。(出典:York Vision)それに、AVENという国際的な当事者団体もあって、には日本人含む1万人以上からの『いいね!』が集まっています」

恋愛とセックスと結婚は、必ずセットになるものなのか?

まきむぅ「それにしても、なんていうか、『男が女と一緒に暮らしたら当然セックスするものでしょ!? そうじゃなきゃゲイよ!』みたいな考え方って、まだまだ根強いなって思うの。実際に、ご自分をアセクシュアル(無性愛者)だとおっしゃるある男性も、『異性とセックスしたくない自分は同性愛者なのではと悩んでゲイバーに行った』というご経験をお話しくださったのよ。でも、『当然だから』じゃなくて『したいから』するものだと思うのよ、恋愛やセックスって。だって、人間関係に『当然』はないもの」

モリガ「人によって『当然』は違うから、『当然でしょ?』って考え方はすれ違いのもとになるね」

まきむぅ「本当よ。そもそも、恋愛とセックスと結婚をセットで考えること自体、近代に入ってからの価値観だからね」

モリガ「そうだね。ただ……なにはともあれ、『彼氏とセックスしたい!』って思っている女性が応じてもらえなくて苦しいなら、なんとか解決したいよね。どうすればいいと思う? 『愛してないの!?』とか『ゲイなの!?』とか詰め寄っちゃうのは違う気がするし」

まきむぅ「相手のことを決めつけても仕方がないから、『自分はこういう気持ちだ』って素直に話してみることかしらね。相手に心を開いてほしかったら、相手の心をこじ開けようとするんじゃなくって、自分から心を開くほうが早いと私は思うの。『ゲイ』とか『アセクシュアル』とかいった言葉は、人それぞれに複雑な心を少しでも理解しあうための道具なんじゃないかしらね」

今回のまとめ
「相手はこうだ」と疑うよりも、「自分はこうだ」と話してみたら?

×「セックスしてくれないなんて、私のことを愛してないの?」
×「男が女と同じベッドでセックスしたくないなんて、ゲイなんじゃないの?」
×「彼がセックスに応じてくれない。きっと、私の女としての価値が低いんだ……」

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